ドラゴンズ2006年秋季練習終了と福留昇竜賞。
今月4日からナゴヤ球場で行われていた
ドラゴンズの秋季練習がこの日終了。
若手を中心に厳しい猛練習となった17日間。
日没後の暗闇の中で総括した落合監督は、
「体力は間違いなくついた」と及第点。
オフの間のさらなる精進を期待しました。
◇新井良太
<秋季練習の強化指定選手。
17日間の地獄を乗り切り>
「こんなに濃い練習は
(人生で)初めてでした。
これが無駄にならないようにしたい。
今後に生かしたいです」
<最終日、打球がマシンを直撃。
約10分ながら、一時的に投球不能に陥らせる>
「(2回の修理で)すぐ直るものなんですね」
<練習後はほかの内野陣とともに
観客席のファンにお礼のあいさつ>
「たくさんの温かいご声援
ありがとうございます。
来年は日本一になります。
微力ながら戦力になれるよう、
日々精進し頑張ります」
(中スポ、名古屋ニッカン)
◇中村公治
<17日間、2万スイング以上。
左ひざ痛に耐えながらも秋季練習を完走>
「去年は秋季キャンプでリタイアして、
みんなと同じスタートラインにも立てなかった。
今年は仲間が脱落しても、
絶対に完走しなくてはいけなかった」
<速射打撃メンバーにも選ばれ、
来季は右の代打と外野の定位置を狙う>
「手応えはある。
カーブマシンで、右肩が下がるクセがなくなった。
秋で掴んだ感覚を来季につなげられるよう
オフの間もできる限り打ちます」
◇石川賢
<1567球で秋季練習の投げ込み王となる>
「走りこみはきつかったけど、
だからといって投げる方の手を抜きたくなかった」
(東京中日)
◇上田佳範
<最年長33歳も若手に混じり、見事に完走>
「少しは免除してもらいましたが、
8割は同じメニューをこなしたと思います。
肉体的には自信がつきました。
これを生かさなきゃ」
(東京中日)
◇川相内野守備コーチ
<コーチとしての初の秋季練習を打ち上げ>
「疲れました。コーチは選手以上に
元気にやっていかないといけないからね。
でもキャンプが始まったころに比べたら、
選手は確実にうまくなっていると思うよ」
(名古屋ニッカン)
◇落合監督
<秋季練習を振り返る。
若手選手の上達ぶりを聞かれ>
「伸びた? 実感ない。
もうちょっとけが人が出るかと思ったけど、
全部のメニューを乗り切ったんだから、
(若手の)体力がついてきたことは事実。
この時間と練習量で、最後まで
ついてこられるようになったということ。
それがなければ技術的なことはできない」
<オフの若手選手の奮起に期待>
「あとは(12、1月の)2カ月を
どうやって過ごして、2月のキャンプで
何を見せてくれるかということだな。
12月、1月は上との差を縮める時期だ。
主力はその時期から練習し始める。
相当開きはあるよ。
それを埋めるのは大変だけど、
縮めることがあるとすれば12月、1月。
やったらうまくなると思って
自覚を持ってくれれば一番。
(若手は)ひと皮むけると思う。
精神論は嫌いだけど、そこにいく。
窮地に陥ったときに役立つはず。
(自分を)救ってくれるんじゃないか」
<左ヒザ痛に耐え、
完走した中村公治について>
「アイツは(打球の)方向感覚さえ
ちょっと直ればいいんだけど。
肩も悪くない。潜在能力はあるんだ」
<リタイアした森岡、鎌田、
藤井については厳しい姿勢を見せ、
早くも来春キャンプでの2軍スタートを示唆>
「全員に期待しているけど、
現時点ではケガをした3人のことは
オレの頭の中にない。審査の対象にない。
ゲーム中の接触プレーとかなら
仕方ないが、防げたケガ。
3年目、4年目の選手は
ユニホームを脱ぐ対象になる。
まず、これからどうやって頑張って、
キャンプを乗り切った連中に
追いつくかということだ」
(中スポ、共同通信社、スポニチ名古屋、名古屋ニッカン)
1日平均約6時間半の猛練習を
連日続けてきた若竜たち。
最終日となったこの日も、内容は変わらず。
野手は約3時間のカーブマシンとの速射打撃など。
小林、石井ら投手陣は、
約1時間のオレ流ノックを受けました。
そして17日間の締めくくりとなったのが、
日没後の暗闇ランニング。
すっかり真っ暗となったナゴヤ球場の
グラウンドを約50周走って、
全メニューが終了となりました。
唯一灯が点ったベンチで
走る選手を見ていた落合監督。
秋季練習を振り返り、
目的の一つであった体力強化は達成。
技術面よりも、この厳しい練習を
こなすことができた体力面、精神面。
それに関して評価をしていたようです。
若手の底上げを
テーマとした秋季練習。
足がつりながらも、
ノックを受け続け、
しごかれてきた
強化指定選手の新井をはじめ、
野手陣は、室内での速射マシン打撃に守備練習。
投手陣は、かなりの球数の投げ込みや
サバイバルランニングなどの走り込み。
連日、同じ厳しい練習を長時間こなしてきました。
疲れがピークに達するとケガ人も現れましたが、
振りまくり、投げまくり、走りまくって、
フラフラになりながらも、完走した若竜たち。
しかし苦しんだ分、得たものも多い。
そんな17日間だったのではと思います。
ただこれで終わりというのではなく、
その掴んだものをどう広げていくのか。
オフシーズンをどのように過ごしていくのかが
これからのカギとなってくると
落合監督は、若竜のさらなる奮起を促しました。
確かにこれからがさらなる勝負。
休んでいる主力に少しでも近づくためには、
練習をしていくことが大切ですからね。
もちろん若竜たちもそれは承知のはず、
来月5日から有志でナゴヤ球場で
合同自主トレを行う予定だそうです。
今後へのステップとなった秋季練習。
とりあえずは、17日間お疲れさまでした。
この秋、鍛えて備わったものを、
個々にオフにしっかり伸ばしていき、
来春のキャンプでの成長に繋げてほしいです。
ナゴヤからの話題。(23日)
◆三澤興一(前・東京ヤクルト)
<この日も報道陣をシャッタアウトし、
室内練習場で入団テストを受けるも、合否は出ず>
「ぼくからお願いして、
2日間受けさせてもらいました。
合否? ボクの方ではいつになるか分かりません。
監督からは後日連絡をいただくことになっています」
(東京中日、スポニチ名古屋)
◇落合監督
<テスト自体に言及せずに>
「せんさくするな」
(東京中日、スポニチ名古屋)
前日極秘に行われた前・東京ヤクルトの
三澤の入団テストがこの日もシャットアウトで
行われましたが、結局合否は持ち越しとなりました。
せんさくはしませんが、結果は知りたいです。
◇福留孝介
<3年ぶり3度目となる『昇竜賞』を受賞>
「こういう賞に選んでいただきましてうれしいです。
まだ4度受賞した選手はいないと聞いたので、
来年も取れるように頑張ります」
<この日、名古屋市内での映画のPRイベントに参加。
トークショーでは映画好き?の一面を披露>
「『火垂るの墓』には泣かされました」
<イベントの質問コーナーでは、少年ファンに
『メジャーに行きたいですか?』の質問を浴び>
「来年、頑張ればFA取れるんで、
それから考えます」
<イベントで来季の抱負について語る>
「来年はプロ野球のシステム
(ポストシーズン)が変わりますが、
日本一になれるように頑張ります」
<イベント終了後、報道陣に囲まれ、
今オフの『休養宣言』を>
「しばらくは何もしないで休むよ。
動きたくなるまでね。公の場にも出ない。
バットもグラブも触らない」
<シーズン終盤、
昨オフからの疲労がたたった結果となり>
「3割6分は打てたはず。
最後にへたってしまったのが悔しい」
<大幅アップが見込まれる
今オフの契約更改交渉について>
「(他選手の)状況を見て臨みたいですね。
まだ、何も準備はしてないけど
僕自身楽しみです。
一発でサインするにこしたことはないけど、
年俸以外にも話し合うことがあるでしょうからね。
僕もいろいろ考えていることがある」
<順調なら来季中にFA権を取得も。
しかし現時点ではその話題を封印>
「何も考えていない。
無事に権利(FA)を取った時に初めて話すこと」
(中スポ、スポーツ報知、
スポニチ名古屋1、2、名古屋ニッカン1、2)
◇佐藤充
<昇竜賞新人賞受賞が決まり>
「選んでいただいてとても光栄です。
今季やってきたことを評価されて励みになります。
来季も結果を残せるようにがんばります」
(東京中日)
ドラゴンズの選手にとっては、
MVPと同じくらいの価値があると言われる
中スポが選定する第45回『昇竜賞』。
毎年その年のドラゴンズで最も活躍した
選手に贈られる伝統あるこの賞に、
今季は福留が選ばれました。
打率.351、31本塁打、104打点と
文句なしの成績でリーグ優勝に貢献。
3年ぶりとなる受賞は、江藤慎一、中暁生、
谷澤健一各氏と並ぶ4人目の
「3度目受賞の選手」となりました。
ちなみに過去5年間の昇竜賞受賞者は、以下の通り。
2001年 野口茂樹
2002年 福留孝介
2003年 福留孝介
2004年 川上憲伸
2005年 岩瀬仁紀
やはりチームの中心選手でないと
もらえない賞であり、今季に関しては、
やはり福留で納得でしょう。
おめでとうございます!
これで福留が今季獲得したタイトルは、
首位打者、最高出塁率、セ・リーグMVP、
ベストナイン、三井ゴールデングラブ賞、
最優秀JCB・MEP賞と合計七冠となりました。
WBCの世界一も含め、
最高の一年となった福留ですが、
今後については、練習だけでなく、
イベントやTV出演も極力減らし、
徹底的に静養に努めると宣言しました。
オーバーホールこそしたものの、
シーズン前から痛めていた右肩にも
まだ不安が残っているのかもしれません。
この日イベント後、ナゴヤ球場で
軽いキャッチボールなどをしたそうですが、
フォーム改造のため、徹底的に打ち込んだ
昨年のオフとは対象的に休む方針となるようです。
そして、注目となってくるのが、
今オフの契約更改でしょう。
福留にとっては、来季得ることに
なるであろうFAよりもこちらの方が
焦点となっているのでは。
ただここ数年は、ある意味「保留」が
お約束となっている福留と球団の交渉。
おそらく3億突破は濃厚でしょうが、
どの辺りで双方納得となるのか。
まあゆっくり休みながら、考えてほしいと思います。
◇森野将彦
<オーバーホール先からの三重から帰名>
「ゆっくりできました。
ボーッとしていたら、
人間がボケるなっていうことが
よくわかりましたよ」
(中スポ)
英智、鈴木らがオーバーホールを終了。
この日、ナゴヤへと帰ってきたようです。
秋季練習では軽いぎっくり腰となり、
リタイアとなってしまった森野でしたが、
温泉とマッサージで腰の痛みを治し、
たまった疲れをほぐせたよう。
ところで
「ボケるということがわかった」という森野。
この日は、愛知県春日井市のスポーツ店
「アスリートネオ・ニシオスポーツ」の
イベントに鈴木とともに出演したもよう。
しかしその中のトークショーで
『好きな食べ物は何ですか?』という質問に
悩んだ末の答えが、なんと
「う~ん。いちごかな」
天然かもしれませんが、まだボケているようです。
今日のその他。(23日)
◇岩﨑達郎(新日本石油ENEOS)
<大・社ドラフト5巡目指名。
社会人野球日本選手権2回戦に出場。
ドラフト後初めての試合は4打数1安打>
「緊張というか、変に力が入ってしまいました。
アップの時から(地元・名古屋の)
テレビカメラが追いかけてきて
結構、気になりました。
こういうのに慣れてないですから」
<試合後、激励に訪れた
中田スカウト部長らと握手を交わし>
「指名されたんだと実感がわいてきました。
今はこの大会(日本選手権)だけに集中したい。
このチームでやる最後の大会だし、
大久保監督を胴上げしたい」
(中スポ)
大・社ドラフトで5巡目指名を受けた
新日本石油ENEOS・岩﨑選手が、
この日、社会人野球日本選手権
2回戦・大阪ガス戦に9番・二塁で出場。
中田スカウト部長と担当の石井スカウトが観戦し、
さらにナゴヤのTV局のカメラに追われ、
気負いが出てしまったか、
2回と5回の好機に凡退するも、
9回の第4打席にライト前ヒットを放ち、
チームのベスト8入りに貢献したそうです。
早くも動きだしたナゴヤのメディアに
おそらくドギマギしてしまった岩﨑選手。
見られるのもプロの宿命、徐々に慣れましょう。