沖縄キャンプ打ち上げも、サバイバルは続く。
北谷、読谷両球場で、約1カ月間に渡った
沖縄キャンプもいよいよ最終日。
『若手の底上げ』をテーマに
6勤1休を4クールに分けて続けられた猛練習も
この日は軽めのメニューで終了。
しかし落合監督は、例年のごとく総括せずに
「公式戦に入るまではキャンプが続く」と
オープン戦でのサバイバル続行を宣言しました。
◇落合監督
<1カ月に渡った沖縄キャンプが終了。
例年のように総括を行わず>
「今日は区切りでも何でもない。
まだキャンプは続く。公式戦が始まるまではな。
総括っていうのは年に1回すりゃいいんだ。
シーズンが終わった時にな」
<若手の底上げをテーマに掲げての猛練習。
それでも成果は上々。戦力については、
大まかな選別作業が進みつつあることを示す>
「(やろうとしたことの)
半分もやってないんじゃないか。
これからは(選手が)完璧(かんぺき)に
2つに分かれるんじゃないかな。
今年の戦力と、今年の途中、来年、再来年に
使う戦力とに分けていいんじゃないかな」
<開幕まであと1カ月。実戦編サバイバルのスタート>
「(新戦力候補は)増えていない。
(支配下の)69人から
入れ代わり立ち代わりだな。
誰がそこ(1軍枠)に入ってくるか分からない。
まるっきり同じメンバーになるのか、
まるっきり違ったメンバーになるのか。
ただ言えるのは(開幕の)3月30日に
元気なやつを使うというだけだ」
(中スポ、共同通信社、名古屋ニッカン)
連日遅くまで続いた猛練習も
最終日は軽めのメニューで終了。
落合監督の例年通りの方針で、
手締めなどのセレモニーは行われませんでした。
総括こそなかったものの、
落合監督は、今後のオープン戦で
さらに選手をふるいにかけ、
戦力を見極めていくことを示唆。
若手選手にとってサバイバルの場は、
実戦へ移り、さらに続いていくようです。
メーン球場の北谷で若手を鍛え、競争させ、
本来2軍の読谷で、主力野手を放牧。
『若手の底上げ』をテーマに行われたキャンプ。
飛び抜けて成長した選手こそいませんでしたが、
全体としては、レベルアップが
出来たのではないでしょうか。
まだまだレギュラーとの差は大きいですが、
多少でも距離が縮まったことで、
よりチームが活性化してくれればいいと思います。
きょう28日には沖縄を離れるドラゴンズ。
福岡行きの1軍メンバーには
若手野手からは、澤井、鎌田、中村一生、
普久原、西川の5選手が選出されました。
ただこれは、あくまでも第一弾。
今後のオープン戦や
教育リーグでの結果によっては
さらに入れ替えも行われることは明らか。
あくまでもサバイバルのゴールは、
3月30日・開幕戦の1軍登録メンバー。
あと1カ月、競争はさらに続けられることでしょう。
選手、監督、コーチ、スタッフのみなさん、
1カ月間お疲れさまでした。
12球団一の猛練習をこなした糧が
秋の栄冠へときっとつながると信じています。
明日から本格的に始まるオープン戦。
サバイバルは、第2章へと突入します。
キャンプでの成果を、実戦で発揮できるよう
さらなる頑張りに期待したいと思います。
チャタンからの話題。(27日)
◇岩瀬仁紀
<ブルペンでキャンプ最後の投球練習。
67球を投げ、キャンプを打ち上げる>
「故障なく、やりたいことは全部できた。
あとは実戦で感覚をつかむだけですね」
<本拠地オープン戦初戦、
3月4日の千葉ロッテ戦で先発することも明らかに>
「(シーズンでは)最初で最後だから
今年もまっさらなマウンドで投げさせてもらいます。
ぼくだって、たまにはね」
(中スポ、スポニチ名古屋)
◇鈴木義広
<最終日は北谷のブルペンで63球。
「ロング、ワンポイント、
どんな場面でも対処できるように、
ブルペンでもランナーを意識して
クイックで投げたりしてます。とにかく頑張るだけです」
(スポニチ名古屋)
◇森バッテリーチーフコーチ
<オープン戦で鈴木のセットアッパーの
適性を判断する考えを示す>
「今、セットアッパーとして
使えるか見ているところだ」
(スポニチ名古屋)
◇中田賢一
<ブルペンで約80球の投球練習で終了後、
チームよりひと足早く福岡に移動>
「結果を残せるように頑張りたいです」
(名古屋ニッカン)
◇佐藤亮太
<今キャンプの『投げ込み王』となる>
「本当ですか、実は狙っていたんですよ。
秋に石川さんに1球差で負けてしまったので、
今回こそはと思ってました。
感覚はよくなっています。
球数を投げているうちにバテもなくなりました。
体も強くなったと思います。
(前回のオープン戦登板で)
真っ直ぐで(見逃し)三振を奪えたことは収穫でした。
状態も上向いてきたので、
キャンプでやったことを
これからの実戦で出したい」
(中スポ)
キャンプ最終日の北谷は、
軽めのメニューで、2時過ぎに全体練習が終了。
投手陣はブルペンで投げ納めを行ったもよう。
その中の話題では、守護神・岩瀬。
勤続疲労も取れ、キャンプでの調整は順調。
今後の登板で、実戦感覚をつかんでいくようです。
その守護神が、本拠地・ナゴヤドームでの
オープン戦開幕投手に決まりました。
昨季も3月2日に先発して、
1回を打者3人でピシャリと抑えましたが、
今季はどんな滑り出しになるのでしょうか。
3月4日は年に一度の『先発・岩瀬』。楽しみです。
またあす3月1日、ヤフードームでの
福岡ソフトバンク戦の先発に
予想されているのが、中田。
この日、ブルペンでの投げ込みを終えると、
ひと足早く北谷球場を離れ、
福岡に向かい、凱旋登板に備えたもよう。
昨年、北九州での凱旋登板では、
打球を受けて負傷した中田。
これで調整が狂い、出遅れの原因となっただけに、
今回は慎重な登板が望まれるところです。
紅白戦では、乱調で罰走もさせられた背番号20。
地元での登板で、しっかり結果が出せるでしょうか。
◇福留孝介
<全体練習のみの軽めの練習で打ち上げ。
この1カ月間のキャンプに合格点をつける>
「ある程度自分に任せてもらって、
しっかりやることはやれました」
<開幕までの構想を明らかに>
「実戦中に感覚を戻していきたい。
数多く打席に立ちたいというよりも、
自分の形ができればいいかなと思っています」
<昨季からのフォームに少し改良を加え、
まだしっかり固まっていないのが現状>
「(バットを構えたときの)
トップの位置だけでなく、
いろんなところを確認していきたい」
<右中間コンビを組むイとの声の連係について。
昨年までのアレックスと同様に
メジャー流でいくことを明かす>
「初めて守るというわけじゃないし。
I GOT IT!でいこうと思っています」
(中スポ、名古屋ニッカン)
今朝のスポーツ紙では、
井上選手会長の総括がありませんでしたが、
野手では、福留のコメントが。
自費キャンプで突入し、
ある意味放任となった今回のキャンプでしたが、
技術的には、しっかりとやりたいことができたと、
満足げな表情を見せていたようです。
今後は改良を加えたフォームを固めるために
実戦での調整を増やしていくと語る福留。
契約的にはいろいろありましたが、
やはりこの選手が打たないことには、
チームの勝利は見えてきません。
開幕へ向け、よりまい進してほしいと思います。
ヨミタンからの話題。(27日)
◇山本昌
<キャンプ最終日、
読谷球場でのシート打撃に初登板。
今季初の実戦形式で2回を3安打無失点。
「ストライクが入るかどうかの
確認のために投げました。
カウントをとる時には
思ったところにボールが行っていた。
(2イニング0封に)久しぶりにしては良かった」
<育成選手の中村紀洋と7年ぶりの対戦>
「対戦したのは久しぶりだね。
首を振って真っすぐ。
別にホームランでいいと思ったけどね。
でも、ノリは雰囲気があるね。
テークバックで吸い込まれそうになったよ」
<カウント1-0から、
捕手・前田のカーブの要求に首を振り、
MAX134キロの直球で右直に打ち取る>
「対戦は久しぶりだからとりあえず
(変化球のサインには)首を振って真っすぐでしょ。
(球速は)134キロ? 恥ずかしい」
<2三振の決め球はいずれも宝刀・スクリュー。
変化球が思ったより良かったことに感心>
「(無風のなかで)風が逆風だったからだよ。
ストレートはまずまずだったが、
変化球が思ったより切れた。
練習していないのに変化球の方が
ほっとした部分があった。
あとは打者とのタイミングや、腕の振りかな」
<何の不安もなく24年目の春季キャンプを終え>
「いままでにないくらいいい天気だった。
例年より(実戦登板が)1週間早いんですよ。
だから余裕を持って調整できる。
何だかんだいっても真っすぐ。
まだ思った所にいっていないから。
球速があと3キロ上がれば完ぺきになる。
(キャンプで投げ込んだ球数は)
トータルで1000球ぐらい。
オープン戦の合間にも投げ込んでいけばいい。
ボクの場合は開幕までが
キャンプみたいなもの。まだ1カ月あるよ」
<今年は名球会入りがかかったシーズン>
「あと少し(3、4勝ぐらい)になったらお祭り騒ぎして」
(公式HP、中スポ、スポーツ報知、共同通信社、
スポニチ名古屋、名古屋ニッカン1、2、名古屋タイムズ)
『体が試合用に近づいていくのを
楽しもうと思い投げました。
2イニング分を投げ、ヒットも打たれたし
三振も取ったし、いろいろありましたが、
総じてまずまず、といった感じです。
とにかく投げられてホッとしています。
やっぱりストライクが入れば
そこそこゲームにはなるな、と。
可もなく不可もなく、というところですが、
この時期は不可がないのが一番。もちろん課題も残りました。
追い込んで、決めにいって
力が入ったときには荒れますね。
毎年のことですが、こうした荒れ具合を
少しずつ修正して開幕を迎えるのです。いずれにしろこのキャンプは天候に恵まれ、
ケガなくす過ごすことが
第一の目的だったボクにとっては
最高の1カ月だったと思います。』
(山本昌公式HP『2007キャンプ日誌』より抜粋引用)
◇中村紀洋
<7年ぶりの山本昌との対戦。
予告通りのオール直球をわかっていて打てず>
「思いっ切り詰まりました。
キレのあるいい球でした。
五分の力と思うけど、やっぱり球が違う」
(中スポ、スポニチ名古屋、名古屋ニッカン)
◇堂上直倫(高校生ドラフト1巡目)
<シート打撃で山本昌と対戦。
狙い打ったが、浅い中飛に倒れる>
「山本さんがストレートしか投げないと
言ってくれていたんですけど...。
その真っ直ぐを打ち返せなかったんで、
まだまだ自分の力が足りないと思います」
(東京中日)
◇中村公治
<シート打撃で、石川から左翼へ本塁打>
「少し詰まったけど、うまく打てました。
(最終日にケガから復帰し)戻れてよかった」
(中スポ)
◇平田良介
<シート打撃で加藤から130メートル弾>
「最後に出てよかったです。いい感じで打てました」
<キャンプから神主打法に取り組むも
実戦ではタイミングが合わず、不振。
フォームを高校時代のものに戻しての一発に>
「よかった時を思い出そうと思って...。
ダメでも残りませんからね」
(中スポ)
軽めのメニューとなった北谷に対し、
読谷は、個別練習はないものの、
普段と同じ練習となったもよう。
目立っていたのは、シート打撃に
初登板したベテラン・山本昌。
今季初めてとなる実戦形式での登板でしたが、
直球も走り、スクリュー、カーブ、スライダーなど
最終クールから取り組み始めた変化球のキレも抜群。
2回を3安打無失点とまずまずの内容となりました。
なかでも記者受けしそうなのが、
7年ぶりの対戦となった中村紀洋や
高校生ルーキー・堂上直倫との対戦。
中村紀洋に対しては、
対決前にはオール直球の約束。
前田のスクリューのサインに首を振り、
MAX134キロのストレートを2球。
結果詰まらせてのセンターフライ。
また堂上直倫との対戦でも
サインに首を振ってストレート。
浅いライトフライに打ち取り、貫禄勝ち。
「対決を楽しみたかった」という昌さんの投球は、
同時にキャンプでの順調な調整ぶりを
周囲にアピールする結果となったようです。
『年齢が年齢ですからね、
序盤はきつかったんですけども、
終盤はあれこれ考えながら
いろいろやれたので、
まあまあのキャンプでした』
と最後のキャンプ日誌には、
書かれていましたが、
近年まれに見る順調ぶり。
ファンとしては、逆にコワイくらいです。
ただケガなくしっかりやってこれたのは、
さすがの一言かもしれません。
24年目の春季キャンプを終えた昌さん。
オープン戦の初登板は、3月4日から続く
ナゴヤドーム7連戦のいずれかになりそう。
200勝に向け、全日本入りに向け、
まだまだ頑張ってほしい。
開幕に向け、さらに良い調整を重ねていってほしいです。
また野手陣では、24日の東京ヤクルト戦で
左ヒザを負傷し、別メニューだった中村公治が復帰。
シート打撃で一発を放ち、回復をアピール。
そして、キャンプ前半に落合監督から
神主打法を伝授された平田でしたが、
実戦での不振もあってか、従来のフォームに変更。
すると、最後の打席でキャンプ初アーチが飛び出しました。
こうなると、さらに悩むかもしれませんが、
両方を良い方向で消化して、
自身のフォームを作ってくれたらと思います。
>この日の読谷のシート打撃のフォトは、
おなじみ北谷キャンプ現地レポさんの
『中日ドラゴンズ 北谷キャンプ2007』で。
☆シート打撃のログは、こちらから。
1カ月間、おつかれさまでした。
ヨミタンからの話題。(27日)
◇堂上直倫(高校生ドラフト1巡目)
<長かったキャンプをけがなく完走>
「第1クールは本当に死ぬかと思いました。
毎日なんとか過ごして、
いつの間にか終わりという感じです」
<気を付けたのは心身のケア。
寝る前のリラックス法は『ウイニングイレブン』>
「チームはバルセロナを使って、
勝てるまでやってから寝ました」
<3月から2軍の教育リーグに参加>
「(キャンプは)しっかりやりとげられました。
まだまだ力が足りないので頑張りたい」
(東京中日、名古屋ニッカン)
◇西川明(大・社ドラフト7巡目)
<ルーキー野手でただ1人、
主力が向かう福岡へのキップをゲット。
堅実な守備、実戦向きの打撃が評価され>
「評価されたんですね。
とにかく(落合)監督が見ているので
何とか頑張ってアピールしたい。
ただ戦力としてはどうでしょうか」
(東京中日、名古屋ニッカン)
初めてのプロ野球のキャンプを
過ごした堂上直倫。
6勤1休のハードな練習を、
大きなケガなく、無事完走しました。
序盤はプロの練習にアップアップのようでしたが、
しっかりと心身のケアに努めたようで、
体重はキャンプ前から1、2キロ減でキープ。
この日のフリー打撃では、
43スイング中7発と、成長の跡を見せつつ、
約1カ月間の猛練習を締めくくりました。
プロのレベルを肌で感じたと思いますが、
実戦で持ち前の勝負強さを見せるなど、
やはり何かを持っている
大器の片りんは見せてくれましたね。
今後は、辻2軍監督の下、
2軍で改めて教育されると思いますが、
しっかり体と技術を鍛えることで
さらなる成長をしてほしいと思います。
また序盤、1軍に抜擢された福田は、
この日、右肩の張りのため別メニュー調整に。
こちらも直倫同様、ルーキーにも関わらず、
非凡なところを見せてくれたと思います。
終盤はやや尻切れな感じになりましたが、
まだまだ毎日が勉強。
将来に向け、しっかりと鍛錬していってほしいです。
一方、ルーキーのなかでただ1人、
1軍の福岡組に同行となったのが、
大・社ドラフト7巡目の西川。
最下位の指名で地味ながらもケガなく過ごし、
連日の居残り練習に耐え抜いた姿が、
落合監督のメガネにかなったようです。
この抜擢に大いに驚き、
「戦力としてはどうでしょうか」と
やや弱気になっている西川ですが、チャンスです。
思う存分、ゲームでアピールしていきましょう。
今日の公示。(27日)
◆セ・リーグ
【育成選手登録】
△中日 中村紀洋内野手
(共同通信社)
◇中村紀洋
<シート打撃は、2打数無安打1四球。
<全体練習終了後、ひとり居残り特打を敢行。
98スイング中33本のアーチで締める>
「自分の中でちょっと気になる部分があったから。
打ち方を修正したかった。
バッターボックスでの立ち位置とか。
でも最後は納得いきました」
<浪人からスタートした2月。
野球人生の窮地に立たされたが
満足な表情でキャンプを打ち上げ>
「いろいろあったから、
人間的に一回り成長できた。
ここからがもうひと勝負。
2軍の試合で頑張っていきたい。
地道に階段を上っていきたいですね。
何とか支配下選手枠(70人)に入れるように
試合に出て結果を出したい。
自分の野球人生にとって、一番大事な時が迫ってくる。
何とか支配下選手になれるよう、必死に頑張ります」
(東京中日、サンスポ、スポニチ名古屋、
名古屋ニッカン、名古屋タイムズ)
ドラゴンズの沖縄キャンプの後半は、
この選手の話題が大半を占めてしまいました。
テストに合格し、育成選手となった中村紀洋。
新天地でのキャンプ最終日は、
初の居残り特打で締めました。
シート打撃が2打数無安打1四球に終わったこともあり、
全体練習終了後に打ち込みを直訴。
特打では、98スイングで33本のサク越えを記録。
手ごたえを感じ、キャンプを終えたようです。
今後は、きょう28日に沖縄から神戸へ移動。
3月2日の教育リーグ・サーパス戦
(神戸サブ)に出場する予定とのこと。
中村紀洋にとっては、これからが勝負ですね。
果たして今後の2軍での猛アピールで、
支配下選手への道を掴むことができるのか。
3月もより注目が集まること必須の背番号205。
しっかり結果を出してくれることを期待します。