中田小池谷繁福田竜七夕祭圧勝16安打12点!
快進撃を続け、2位・東京ヤクルトに
ついに1ゲーム差にまで迫った3位・ドラゴンズ。
この日からは神宮球場での直接対決3連戦がスタート。
その初戦、主導権を握ったのは勢いあるドラゴンズ。
初回のブランコのタイムリーで先制すると、
4回には小池・谷繁の2ランが飛び出し、一挙4点を追加。
投げては3カ月ぶりの1軍登板となった中田賢一が、
丁寧に低めを突く投球で、8イニングで11奪三振を奪う好投。
さらに終盤も福田のプロ初打席初本塁打などで加点して、
16安打12得点の圧勝。ついにゲーム差なしに詰め寄りました。
◇セントラル・リーグ公式戦 東京ヤクルト-中日 10回戦 (7日・明治神宮野球場 | 中日3勝7敗) | ||||||||||
14268人 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
中 日 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 1 | 1 | 4 | 1 | 12 |
ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
[勝] 中田(2試合1勝1敗) [D本] 小池2号2ラン 谷繁2号2ラン、3号 福田1号 | ||||||||||
[Dバッテリー] 中田、高橋 - 谷繁、小山 |
◇対東京ヤクルト10回戦・スタメン
1 (遊)井端 (6打数2安打)
2 (二)荒木 (5打数1安打)
3 (三)森野 (4打数3安打2打点)
4 (一)ブランコ (4打数1安打2打点)
5 (左)和田 (4打数1安打)
6 (右)川井→小池 (5打数3安打3打点)
7 (中)藤井 (3打数1安打)
8 (捕)谷繁 (4打数2安打3打点)
9 (投)中田 (3打数1安打1打点)
【イニング経過】
<1回・中日> P・村中恭兵
井端右前落とすヒット、荒木二ゴロ・エンドラン井端二進、
森野外スライダー外れ四球、
1死一、二塁から、ブランコ中高め直球左前適時打(D 1-0 S)
和田外浮いたフォーク空三振・
スタートした森野・ブランコそれぞれ盗塁成功、
2死二、三塁から、代打小池内直球打ち上げ捕邪飛
<1回ウラ・東京ヤクルト> P・中田(4/8以来の1軍登板)
青木外カーブ遊ゴロ、田中浩康外スライダー投ゴロ、
福地外フォーク中飛
<2回・中日> P・村中
藤井内カーブハーフスイング三振、谷繁右飛、
中田内直球弾き返し前進ライト前もガイエル素早く一塁送球=右ゴロ
<2回ウラ・東京ヤクルト> P・中田
デントナ150直球のあと高めフォーク空三振、
ガイエル内フォーク空三振、宮本直球中前打、
相川外スライダー空三振
<4回・中日> P・村中
ブランコカーブ高く四球、和田外直球見三振、
1死一塁から、小池真ん中直球完ぺき・
左翼席中段飛び込む2ラン(D 3-0 S)
藤井右前打、
1死一塁から、谷繁内スライダー反応・
左翼席飛び込む2ラン=2試合連続(D 5-0 S)
<4回ウラ・東京ヤクルト> P・中田
田中浩康初球外直球狙い打ち右越え二塁打、
福地内直球空三振、デントナ外フォーク空三振、
2死二塁から、ガイエル初球フォーク打ち上げ二飛
<5回ウラ・東京ヤクルト> P・中田
宮本11球粘るもフォーク右飛、
相川右中間飛球・藤井ジャンピングキャッチ好捕、
川島慶三外フォーク空三振
<6回・中日> P・萩原
小池右前打、藤井初球萩原ボーク・小池二進、
藤井捕犠打、谷繁内直球詰まり浅い中飛、
2死三塁から、中田真ん中直球強振右前適時打(D 6-0 S)
<6回ウラ・東京ヤクルト> P・中田
代打川端慎吾四球(この日初)、
青木外高め直球高い遊ゴロ6-4-3併殺、田中浩康中飛
<7回・中日> P・一場
荒木高いバウンド三ゴロ、森野左前打、
ブランコ内フォーク詰まり二ゴロ4-6二封、和田四球、
2死一、二塁から、小池真ん中直球左前適時打(D 7-0 S)
一走和田うまくタッチかいくぐり三塁陥れるも
勢い余ってオーバーランタッチアウトに苦笑
<7回ウラ・東京ヤクルト> P・中田
福地外フォーク右前落とすヒット、デントナ外外れ四球、
無死一、二塁から、ガイエル外130キロ空三振、
1死一、二塁から、宮本外フォーク空三振、
2死一、二塁から、相川外フォーク空三振しのぐ
<8回・中日> P・一場
藤井二ゴロ、
1死から、谷繁中高めスライダー左中間越え本塁打(D 8-0)
中田離れて打席に立つも四球、井端中直球中前打、
荒木中高め投返し中前打、
1死満塁から、森野低めスライダー引っ張り右前2点適時打(D 10-0 S)
1死一、三塁から、ブランコ中直球・
高いバウンド遊ゴロ6-4-3併殺崩れの間(D 11-0 S)
和田外スライダー左前打・代走英智、
2死一、二塁から、小池低め直球中飛
<8回ウラ・東京ヤクルト> P・中田
代打武内四球、川端高めボール球捕邪飛、
青木内外れ四球、田中浩康2球目中田暴投・武内三進、
1死一、三塁から、田中浩康内直球打ち上げ中犠飛(D 11-1 S)
<9回・中日> P・押本
代打野本(25歳誕生日)外直球見て四球、
代打西川中高めスライダー二ゴロ4-6-3併殺、
2死から、代打福田2-1からの6球目・
真ん中直球弾き返し、左中間ライナーで飛び込む本塁打(D 12-1 S)
(プロ初打席・初安打初本塁打)
<9回ウラ・東京ヤクルト> P・高橋
捕・小山、左・小池、中・英智、右・野本
デントナ外フォーク左前打、ガイエル低め直球左飛、
野口二ゴロ4-6二封のみ、福川打ち上げ二飛、試合終了。
【ゲームレビュー】
中田が今季初勝利を飾り、3連勝
2位東京ヤクルトとゲーム差なしになった
中田は4月8日以来の登板となったが、
立ち上がりから球威があり、制球もよかった。
打線は16安打で12点。1回、ブランコが先制打。
4回は小池と谷繁の2ラン2発で試合を決めた。
(公式サイト、中日新聞、共同通信社、ニッカン式スコア)
わずか1ゲーム差で迎えた2位攻防の初戦。
7月7日といえば、ごぞんじ七夕。
東京は、梅雨の晴れ間こそのぞいたものの、
雲が多くて星を観測することができなかったようですが、
神宮球場ではいくつものアーチが飛び出したうえ、
ドラゴンズが東京ヤクルトを敵地で圧倒!
実に見事な『七夕祭り』となりましたね。
初回に相手先発・今季初登板の村中を攻め、
先制すると、その後はずっとドラゴンズペース。
たくさん詰めかけた関東竜党の声援を背に、
打つや打つやの16安打12得点。
2位を争うライバルに、その勢いの差を
直に、しかも強烈に見せつけることができて、
ほんとにうれしいゲームとなりました。
12点も入ったことで、ほめる要素が多いゲームでしたが、
やはり一番は「うれしい誤算」を挙げておかないと。
約3カ月ぶりの1軍登板となった先発・中田賢一が、
8イニングを投げ、3安打11奪三振、1失点の快投。
これぞ「アピール」といえる投球で、
その存在感をきっちりと見せつけてくれましたね。
今季初登板の村中、今季2度目の登板の中田。
結局は腕が振れずに自分の投球ができなかった
村中がつかまってしまい、一方的な展開となりましたが、
一歩間違えれば、その可能性さえもあった中田。
しかしさすがは『背番号20』。
満を持しての登板なうえ、絶対に雪辱したいという強い気持ち。
それがマウンドに表れていたように感じました。
今季初登板と同じ神宮が舞台でしたが、
KOされベンチにグラブを叩きつけた前回とは、
まったく違う実に安定した投球。
150キロのストレートは走っていましたが、
三振を奪った決め球は、ほとんどがフォークにスライダー。
ボール球を振ってくれたヤクルト打線にも助けられましたが、
力まずに低めを突いて、緩急つけて三振を奪う。
本来の伸びのあるストレートで空振りさせるという
暴れ馬スタイルとは一線こそ画していますが、
これが変身したニュー中田のスタイルなのかなと。
それでもピンチに動じない姿は、まさに全盛時のものに近し。
投げてみなければわからないと
前日は失礼なことをぬかしてしまいましたが、
やはり本来の投球さえできれば、力のある投手だなと感じましたね。
さらにこの日は、打撃でもアピール。
めったに見られないライトゴロを放ったと思えば、
打者顔負けにボールに食らいついてのタイムリー。
その勇姿を忘れかけていたファンに、
中田賢一という存在を示すには、もってこいの大活躍。
年に一度の七夕の日に好投。
まあこの好投が年に一度だけということでは困りますが、
手応えも収穫もあったことでしょうし、
この日の好結果をしっかりと次回登板にも繋げてほしい。
3カ月遅れの『開幕』となりましたが、
頼もしい右腕の復帰は、チームにとっては大きいですし、
今後もより頼られるような投球を見せてほしいと願います。
一方、打線では「横浜関係」の選手が頑張りました。
まずは、4回に流れを引き寄せる2ランを放った小池。
偵察要員の川井の代打で登場しましたが、
初回の第一打席は打ち上げてしまい、捕邪飛。
チャンスをいかせずに残念に思えましたが、
それをも取り返す4回のレフト中段への見事な2ラン。
まさに完ぺきに捉えた一発は、
自分の記憶にあった「横浜の小池」のホームランでしたね。
その勢いにも乗り、今季初、さらに移籍後初の猛打賞。
野本も復帰し、英智もいる。
しかし「小池さん」も忘れちゃいけない。
そんなアピールにはもってこいの3安打となったでしょう。
また日曜日の巨人戦で21年連続本塁打を放った谷繁が、
なんと2試合連続に、1試合2発という離れ業。
打率2割スレスレということもあり、
ある意味開き直っての打撃と、先日のコメントにありましたが、
何か掴んだかのような、大当たりっぷりですね。
これで昨季の本塁打数を早くも超えてしまった扇の要。
ただそれ以上に、自分としては
4月に故障してしまった神宮の地で
しっかりと「厄払い」できたことが、うれしかったです。そしてやっぱり
触れておかなくてはいけないのが、
プロ初打席を迎えた
「福ちゃん」こと福田永将。
なんと初打席初本塁打という
強烈デビュー!
10点という大差が付いた
9回は代打3連発。
この日25歳バースデーの野本、
今季初打席の西川に続いて
起用された福ちゃんでしたが、
初球からフルスイングしまくり。
高めのボール球に
まったく当たりませんでしたが、
そのスイングの凄さには、驚きましたね。
そのまま三振でも若々しくていいなと思いましたが、
やはり打撃では、何かを持っている男。
ファウル2球のあと、スライダーを見送っての
カウント2-1からの6球目、中に入った真っすぐを
ものの見事に弾き返すと、打球はライナーで
左中間に伸びていき、そのまま飛び込むホームラン!
ファームでの好調をそのまま持ってきた感の
素晴らしい一発は、鮮烈なインパクトを植え付けたなと。
落合監督のコメントにもありましたが、
まさに「あれだけ振れるのは素晴らしい」。
まだまだ課題もありますが、今後が実に楽しみ!
そう思わせてくれた背番号55のプロ初打席でした。
直接対決の初戦をとって、ついにゲーム差なし。
しかし試合数の関係もあって、順位は3位のまま。
それにしても、この「5試合」というのは、
終盤に来た際に大きな影響を及ぼすのでしょうか。
そうならないためにも、ここは一気に抜き去りたいもの。
先発陣が手薄で、打線に元気のない相手の現状も
ある程度は見えましたし、まずは連勝して2位に浮上してほしい。
ただその一方で気になるのは、打ち疲れ。
実質先発全員での16安打で12得点を奪っていますし、
その反動がありそうで、ちょっと怖いかなと。
おまけに2戦目の先発は、小笠原でほぼ決まりですし…。
それでも勢いあるうちに、突き進んで、
その先にいる首位チームにプレッシャーをかけてほしい。
蒸し暑いなかの戦いは続きますが、
ぜひとも敵地で勝ち越して、2位ゲットといきましょう!
☆ウィナーズ・ボイス(7日)
◎中田賢一
<8イニング1失点で今季初勝利>
「(おめでとうございます)ありがとうございます。
(おかえりなさいといった方がいいですか)
そうですね。ちょっと長かったんで、
あの、自分としてもうれしいですね。はい。
(今日の投球、非常に安定していたように見えたが)
いやあちょっと、後半バタバタしてしまったんで、
これからの課題になると思います。はい。
(10三振を奪ったが、すべて空振り)
そうですかね。僕はじめて今気づいたんですけど、
思い切ってほんと一人一人に対していったんで、その結果だと思います。
(味方もたくさん点を取ってくれたが、マウンドではどんな感じ)
そうですね。あのう、点差が開いてても、
目の前の一人に力一杯投げるという気持ちで、
今日はもう点差意識せず投げたんで、
それが良い結果につながったんじゃないかなと思います。
(打撃でも魅せてくれた)
そうですね。はい。
打席立ってる以上は、やっぱり打ちたいと思ってるんで。はい。
(この3カ月、いろんな思いがあったと思うが、
どんなことを一番修正してきたのか)
そうですね。やっぱりできるだけ早く帰ってきたいなと思って、
やってはいたんですけど、なかなかうまいこといかなかったんで、
えー、まだまだこれから先、あると思うので、
あのう、遅れた分、しっかり取り返していきたいなと思います。
(今日でだいぶ手応えも掴んだと思うが、決意のほどを)
えー、(シーズンは)もう半分になってしまいましたけど、
あのう、チームも追っかけているので、
僕も先発として、しっかりとその、先発のみんなに
追い付くように頑張っていきたいと思います」
<悩み続けた右腕が、豪快に復活をアピール。
ようやく挙げた今季初勝利を率直に喜んで>
「長かったので、自分としてもうれしいです。
できるだけ早く帰ってきたかったんですが、時間がかかってしまった」
<2位の座をめぐる相手との3連戦初戦。
重要な一戦だったが、打者との勝負に徹した姿勢が結果につながった。
4回。大量の援護点をもらった直後。
いきなり田中浩康に初球を二塁打され、初めて得点圏に走者を背負った。
福地を2-1からわずかに変化する内角球で空振りさせた。
デントナも追い込んでから外に落ちる球で三振。
ガイエルは初球のフォークで二飛に打ち取った。
パワーのある外国人2人を抱える主軸をピシャリと抑えて>
「点差が開こうが、一人一人、一球一球、一生懸命に投げた。
点を入れられないことだけを考えた。
両外国人は力があるから注意していた。勝負球がうまく決まってくれた」
<神宮は屈辱の地。
開幕直後の4月8日、4イニング2/3で被安打10、
6失点でKOされた。即座に2軍行きを言い渡された。
追い打ちするように、5月には足を痛めた。
投球練習すらできない日々が1カ月も続いた。苦悩を明かす>
「ゲームで投げられないのがもどかしかった」
<川上(現・ブレーブス)が退団した今季、
後継エースの座に最も近かった男に訪れた思わぬ試練。
2軍の小林投手コーチからこう諭された。
『賢一(中田)、一からやってみよう』
そんなコーチの思いに応え、ピッチングフォームを一から見直し、
好調時、不調時、それぞれのビデオを丹念に見比べ、
何が悪いのか調べ上げた。ピッチングを始めれば、
納得いくまでブルペンを離れなかった。
そうして築き上げた、上下が連動した理想のフォーム。
『暴れ馬』と呼ばれたかつての荒れ球は消えていた>
「以前は下半身をうまく使えていなかった。
下をうまく使えるようになって、
力みなくボールがリリースできるようになった」
<やっと巡ってきた約3カ月ぶりのマウンド。
力のある者の必死さが生み出したのは落ち着き。
8回に四球から失点したが、
7回までは走者を出すほどに、投球はさえた>
「前回のことを思い出す間もなく、
一人ひとりの打者に集中していました。
次の打者、次の打者と、目の前のことで必死だった」
<バットを握っては6回2死三塁、
東京ヤクルト2番手・萩原から右前適時打。
6点目を叩き出し、さらに機嫌を良くして>
「きょうは打ちたいと思っていました」
<ペナントレースの折り返しとなる72試合目。
勝負どころの夏場に、2年前に14勝した右腕が帰ってきた意味は大きい>
「シーズンはもう半分になったけど、
僕も他の先発陣に追いつくようにやっていきたい」
(中スポ、中日新聞、サンスポ、おおさか報知、
時事通信、朝日新聞、スポニチ名古屋、ニッカン、デイリー)
○森バッテリーチーフコーチ
<今季初勝利の中田には首脳陣の粋な計らいもあった。
初登板となった4月8日の東京ヤクルト戦でKOされ2軍降格。
総てを吹っ切るためにあえて『失意の地』を選び、最高の舞台を与えた>
「中田は前回ここ(神宮)で落としたから、
1軍に上がってきた時から次の登板は
ここで投げさせることは決めていたここだと決めていた。
やられた場所でやられた相手に投げないことには意味がない。
やられたらやり返さなきゃならねぇ。
課題はあるが、これからヤクルトと戦っていくうえでも、
あいつの力が必要になる」
(中日新聞、スポニチ名古屋、ニッカン)
○谷繁元信
<2試合連続となるアーチで2本塁打3打点と大暴れ。
その1本目は実に効果的だった。
4回に小池の2ランで3点差、その直後の1死一塁、
エンドランがかかっていたカウント1-2から、
スライダーをうまくとらえ、左へ運んだ。
06年8月以来、3年ぶりとなる2試合連続アーチで
東京ヤクルトの若き左腕・村中をKO>
「うまく変化球に反応できました」
<2本目は大量リードの8回1死、一場から3号ソロ。
照れくさそうに言いながらも、鮮やかな放物線で左翼席にたたき込んで>
「詰まったけど風に助けられた」
<06年8月18日の巨人戦以来、3年ぶりとなる1試合2本塁打。
試合後、余韻に浸って>
「やっぱり何年たっても本塁打を打つっていうのは気持ちいいねえ」
<悪夢を完全に払しょく。4月7日の東京ヤクルト戦(神宮)、
ファウルを打って走ったときに右ふくらはぎを痛めた。
途中退場、病院直行の末に長期離脱。あの日以来の神宮だった。
あのときとは気温が違う。故障個所に与えるダメージが違う>
「怖さ? ないよ。だって暖かくなっているから。
そうか、あの日以来だったか」
<元気になった38歳が先発の中田を初勝利に導き、
大勝劇を呼び込んだ。中田の決意はミット越しにも伝わった。
復活登板に正妻は合格点を与えて>
「今までと比べて、何とかコントロールを
悪くしないようにという気持ちが見えた。
欲を言えば、もっと迫力ある球が…。
もう少し大胆さが出てきてくれれば」
<ここ数年、オフの自主トレは
神奈川県内の自宅に近い國學院大のグラウンドで行っている。
練習している学生のなかにはパワー自慢もいるが、
アラフォーになっても衰えない体と自信。
それがあるからこそレギュラーを張り続ける。
あと3本と迫った通算200本塁打も時間の問題か>
「力では負けないよ」
(中スポ、中日新聞、サンスポ、時事通信1、2、ニッカン、デイリー)
○小池正晃
<4回1死一塁、村中の速球を左翼席中段へ2号2ラン。
カウント1-2から狙い通りの一振りで、72打席ぶりのアーチ。
5日の巨人戦でも2安打を放ち、事実上2試合連続のスタメン。
この日は偵察要員・川井に代わっての出場だったが戸惑いはなかった>
「相手が左(投げ)なら自分だと思っていたので…」
<1回2死二、三塁の好機で迎えた第1打席は
捕邪飛に倒れていたが、その一発は試合を動かす一打になった。
久々のアーチの感触を確かめて>
「最初(1回)のチャンスで詰まらされて
打てなかったので、次につなげる気持ちと
思い切って割り切っていこうという気持ちがよかった」
<さらに6回には先頭打者で右安打して6点目を導くと、
7回1死一、二塁では左前に7点目の適時打。
昨年途中に中日に移籍後初めての猛打賞をマーク>
「自分では(相手投手が)右でも左でも出るつもり。
そのためには結果を残さないと」
<必死の姿勢を強調。開幕当初は数少ない打席で
いい当たりが正面を突くなど不運もあったが、
決してうつむくことはなかった>
「やるべきことはやってきたつもり」
<9回には同じ横浜高出身で8歳年下の福田が初打席初アーチ。
野本らとのポジション争いも、後輩の存在もいい刺激。
同窓アベック弾を喜んで>
「あれはうれしかったですね」
(中スポ、中日新聞、サンスポ、毎日jp、スポニチ名古屋)
○福田永将
<9回、史上49人目となるプロ初打席初本塁打を放つ。
打球が左中間スタンドに突き刺さるのを見届けると、
両手を力強く合わせて喜んだ。
球団史上8人目となるプロ初打席での本塁打。
うれしさで顔は自然とほころぶ。初々しく興奮気味に振り返って>
「(打った瞬間は)覚えてないですね。
結果としてホームランになったのは、まぐれだと思うんですけど、
僕はとにかく打っていかないといけないので、
結果が出て、本当によかったです」
<10点リードの9回2死、中田の代打で出場。
投手は押本。いきなり2球連続で空振りしたが、
ファウルで粘り、カウント2-1からの6球目速球を振り抜いた>
「2球、空振りしていたんで、もうまっすぐを狙っていこうと。
次に直球がきたら絶対に振ってやろうと思ってました。
先輩から思い切って振れと言われていました。
とにかく思い切り振ることだけを考えた」
<捕手で入団しながら1年目に一塁手に転向したのも、
今季途中から三塁手を兼任しているのも、
持ち味の打力を生かすべく、出場機会を得るため。
今季は2軍で打率.333、7本塁打と結果を残し、
5日に初めて1軍に登録された。
一塁そして三塁を守れることも、昇格を後押ししたに違いない。
普段は朗らかだが、以前、厳しい表情でこう話したことがある。
記録的な一発で幕を開けたプロ生活。その夢にはまだ続きがある>
「正直、捕手をやめろって言われた時はショックでした。ずっと捕手でしたし。
捕手でダメで終わるなら納得するんでしょうけど、
ポジションも変えて臨んでいるし、終わるわけにはいかない」
<立浪兼任コーチや和田からのアドバイスを生かした一打。
記念のボールはファンが投げ返してくれ、手元に帰ってきた>
「部屋に飾ります」
(中スポ、中日新聞、スポーツ報知、共同通信社、スポニチ名古屋)
◇辻2軍監督
<今季途中から三塁手も兼任する福田にグラブを贈る。
色はオレンジで、オイルがたっぷり塗られているため重い。
8度もゴールデングラブを獲得した名手は、
西武、ヤクルトでの現役時代に軽くて薄いグラブを愛用していた。
自身のモデルとはまるで違うが、用具を試行錯誤し、
グラブを知り尽くしているからこその贈り物だった>
「メーカーに頼んで、油を塗ってもらって。
軽いほうが本当はいいんだけど、彼(福田)はまだ下手だからね。
重いほうが打球に負けない? それもあります。
打撃を生かすためにも三塁も守れたほうがいい」
(中スポ)
○井端弘和
<1回、2-0の不利なカウントから技ありの右前打。
ブランコの適時打で先制のホームを踏む。
これでリーグ戦再開後10試合中、5試合で
『1回の安打』とリードオフマンぶりを発揮している。
1回によく打つことを問われて、謙そんしきり。
2試合連続今季27度目の複数安打をマークし、打率.330をキープ>
「そんなことないですよ」
(中スポ)
○トニ・ブランコ
<1回1死一、二塁から三遊間を破る先制適時打。
本塁打とともにリーグトップ独走の打点を『61』として>
「ストレートに詰まってたけど、よく抜けてくれた。神様のおかげ」
<7回には走者として二塁から小池の左前打で本塁に激走。
ズボンの左尻部分が破れてしまうほどの猛スライディングで生還。
自らの働きに満足そうに>
「その(先制打の)後も一生懸命走りました」
(中スポ)
○森野将彦
<6月3日のオリックス戦で4安打して以来となる3安打。
2打点もマークし、通算53打点はセ・リーグ4位タイとなった。
右投手の一場からの安打に収穫ありの表情。
右投手からの安打は6月27日の大竹(広島)から放ったのが最後だった>
「久しぶりに右投手からヒットを打てたのでよかったです。
右からヒットが出ていなかったのは、
打ち方が悪かったからだと思いますよ」
(中スポ)
○荒木雅博
<8回の第5打席に中前打。これで11試合連続安打と好調をキープ。
笑顔で帰りのバスに乗り込んで>
「打撃は、ずっと悪くないんですが、
あれがタコ(無安打)で終わると嫌な感じになりますから。
1本出る、出ないは大違いです」
(中スポ)
○野本圭
<七夕生まれでこの日25歳になった。
ちょうどこの日、試合は大学野球の聖地・神宮。
駒澤大時代にも何度もプレーしたなつかしい
思い出の地で誕生日を迎えたが、本人はあっさり。
この日はベンチスタートになったが、地道に腕を磨き続けている>
「誕生日に野球の思い出は特にないです」
(中スポ)
○立浪和義
<大勝とあって出番がなかった兼任コーチ。
試合後、目の前で歩いていた谷繁を囲んでいる
報道陣に対してひとこと。頼れるベテラン捕手を持ち上げて>
「よく聞いてやって…」
(中スポ)
◇吉見一起
<試合前の練習中、チェンと2人で
軽食の乗った皿を大事そうに抱え、
三塁側ファウルゾーンを歩いて、ロッカー室に向かった。
神宮球場での試合前、野手陣は
少し離れたロッカー室で軽食を取るが、
食事を用意されるのはベンチ裏のみで、
投手陣のロッカー室には誰かが運ばなければならない。
そこでいつも投手陣の最年少が宅配係になるという。
今の1軍投手陣で本当の最年少はチェン。一つ上に自身と浅尾。
この日は登板予定がないため、チェンと2人になった。
防御率ナンバー1&隠れ2位の豪華宅配便に>
「最年少にはあと浅尾がいるんですけど」
(中スポ)
◆トマス・デラロサ
<この日のナゴヤ球場の室内練習場は
大げさに言えば『サウナ』と化していた。
名古屋の最高気温は30度。加えて、雨上がりで湿気ムンムン。
選手たちは大量の汗でアンダーシャツをぐっしょりぬらし、
『暑い』と口々にもらしていたが、滝のように汗を流していたのは同様。
カリブ海のドミニカも夏はかなり暑いが、
日本の湿気は独特のもの。苦笑して>
「こればっかりは仕方ないよね。
この時期のドミニカはハリケーンがあるから。
日本の梅雨とはまた違うんだよ」
(中スポ<ドラ番記者>)
○落合監督
<3連勝で、2位・東京ヤクルトに勝率で4厘差と迫る。
中田の快投に手応えを得た様子>
「中田? あんなもんでしょう。もともと力は持っているだけにな」
<チェンに続く復活で先発のコマはそろった>
「(チェンも良い、との問いに)あとは山井だな。
あのへんのピッチャーが戻ってくればね」
<福田の一発にベンチで笑顔。手放しで褒めて>
「福田君は素晴らしいね。あれだけ振れるんだから。
振らなきゃ始まらない。三振したっていいんだ。
初打席初本塁打なんてそうあるもんじゃない」
(中スポ、中日新聞、サンスポ、スポーツ報知、おおさか報知、
共同通信社、毎日jp、スポニチ名古屋、ニッカン)
記録備忘録。(7日)
◇福田がこの日、東京ヤクルト10回戦(神宮)の9回、
押本から初打席本塁打を放った。プロ野球49人目。
セでは05年の広島・比嘉寿光以来、4年ぶり6人目。
中日選手のプロ初打席本塁打は、
60年高木守道、66年相川進、86年米村明、90年ディステファーノ、
91年森田幸一、01年ショーゴー、今年4月3日ブランコ以来、8人目。
(中スポ、時事通信、毎日jp)
今日の公示。(7日)
◆セ・リーグ
【出場選手登録】
△中日 西川明内野手
(公式サイト、共同通信社)
△西川明
<3年目内野手がこの日、出場選手登録される。
開幕1軍こそ逃したが、2軍戦に出場してチャンスをうかがってきた。
現在、好調なチームにあって左の代打としての役割を期待される。
試合前には立浪兼任コーチのから
アドバイスを受けながら入念に準備をして>
「いつもチームの勝利に貢献したいと思っています」
(ニッカン)
嬉し楽しの爆勝でした。神宮でこんな大差の白星は
06年10月9日以来かもしれません(笑)。
一番の朗報は、やっぱり、中田投手の復活です!
なんとかしっかりと試合を作って勝ち投手にと
祈りながら応援していましたが、予想を遥かに
上回る素晴らしいピッチング! シビレましたよ。
自信回復のメモリアルビクトリーになりましたね!
福田選手の初打席初アーチは、あっぱれとしか
言いようがありません。あれだけ思い切った
スイングを出来るのは、めちゃくちゃ大きな魅力ですね!
投稿: ドライチ | 2009年7月 8日 (水) 10時39分
落合が「巨人を追えるのはうちだけ」って言ったのが現実味を帯びてきたね。
言った頃は血迷ったかとか言われてたのに。
中田も使えるとなれば先発も揃うし、
4,5月の状態からは想像できない戦力の充実振りだね。
福田の振りは魅力的だけど、一塁の守備固めも今はあまり必要なさそうだし、
サードはできないんかなあ?
投稿: コロンビー | 2009年7月 8日 (水) 12時09分
楽しいゲームでした~

見所満載でもう大満足で帰路につく
ことができました。
小池さんユニの効果は絶大みたいです
福田選手は記憶に残るホームラン
でしたが、家族や友人がたくさん
詰め掛けているようでしたから
晴れ舞台で男になりましたね
さあ~連勝してウサギの尻尾を
捕まえましょう!
投稿: ギンタロウ。 | 2009年7月 8日 (水) 12時28分
先制→中押し→ダメ押しと良い感じで得点

欲を言えば初回にもう少し取れていればとかありますが
12点も叩き出した打線に文句は言えませんね
ケンイチ氏
の復活と福ちゃんの
今後に弾みが付きそうですね!
打ち疲れが気になりますが勝って2位になりたいです。
今日は
・・・・・
カッパを持って行きたいと思います(苦笑
投稿: dai | 2009年7月 8日 (水) 12時45分
みなさんコメントありがとうございます!
今夜の先発は小笠原投手。
東京ヤクルト戦は今季2試合目の登板(1敗)。
「神宮=小笠原」は定番の1つですが、
ぜひとも中田投手に続いてほしいと思います
>ドライチさん
観戦おつかれさまでした。
06年10月9日=あのM1のゲームですね
そのゲームは自分も生観戦しましたが、
確かにそういうムードも醸し出していたかもしれません。
あのときの先発も中田投手でしたね。
その中田投手ですが、安定していましたね
と謝りたいですし、
正直動く姿は久々でしたが、好投しているだけあって
かなりの存在感がありました。
ほんと期待しなくてゴメンね
ぜひとも好調を維持してほしいと思います。
>コロンビーさん
あの監督のコメント、このままある程度もところまで
行ってくれれば、今季の名言
福田選手、守備のほうはまだまだのようですね
まあ1軍では森野選手もいるし、
なかなか難しいところですが、練習は重ねてほしいです。
>ギンタロウ。さん
観戦おつかれさまでした。
ほんと「喜びてんこ盛り
小池選手の猛打賞にホームランは、
まさにギンタロウ。さんへのプレゼントだったのでは
これからも小池ユニ効果期待してますよ
福田選手のホームラン、それにしても凄かったですね。
TVに向かって「福ちゃんスゲエ!!」とうなりましたよ
監督も気に入ったようですし、
2位そして1位上昇のラッキーボーイになってほしいです。
>daiさん
あれだけたくさん点が入って、3時間ちょっと
中田投手登板なのに、信じられませんよ。
まあ初回の1点のみは寂しいですが、
その悔しさから小池選手の一発が出たので、結果ヨシでしょう。
今夜は現地だそうですね。
はありそうですが、
まあ多少の雨
ぜひとも2位浮上のゲームを楽しんでくださいね
投稿: Toshikichi | 2009年7月 8日 (水) 18時13分
賢一の復活勝利、とてもうれしかったです。
TVで見ていて前半のコントロールの良さに少々不安を感じましたが、後半は見事な暴れっぷり。
私の心の中では昨日の賢一ならエースの称号を与えちゃいますね。(笑)
今朝の中スポによると2軍では小林コーチと二人三脚でフォームのチェックをしていたとか。
その効果がハッキリ結果となって表れてくれました。
大事なのは次回の登板です。
ドラのエースとして強い心を持って試合に臨み、間違いを繰り返さないようにしてほしいですね。
福田のプロ初HRもうれしかったですね。
スイングの速さはブランコ並みに感じました。
しばらくは代打が続くでしょうが、将来がとても楽しみです。
投稿: りくぶっち | 2009年7月 8日 (水) 20時18分
コメントありがとうございます!
>りくぶっちさん

中田投手、復活勝利よかったですね
後半はさすがに疲れもあって、暴れましたね。
ただその前の打席で塁に出たくないのに、四球ももらいましたし
それでもその存在感はやはり大きいなと。
ある意味「変身」して安定した投球を
次の登板でも見せてくれれば、本当の復活といえる思います
静かに燃える闘志の背番号20、頑張ってほしいです。
福田選手、2打席目は松岡投手のフォークに翻弄。
まあこれも勉強ですね。
ただ豪快なスイングは今後もとても楽しみです
投稿: Toshikichi | 2009年7月 9日 (木) 09時54分