川井11連勝浅尾岩瀬記録リレーでGに勝ち越し!
一発攻勢返しによる大敗で連勝が9でストップ。
1勝1敗で迎えた東京ドームでの巨人との第3戦は、
序盤は川井-東野の両先発投手が好投。
しかし試合が動き出した中盤以降、流れをつかんだのはドラゴンズ。
1点ビハインドで迎えた6回、小池が逆転の2ランを放ち、
東野をKOすると、代わった越智の乱調を突いて、
連続四球から、森野・ブランコの連続タイムリー。
打線の援護をもらった川井が7イニングを3失点と投げ抜くと、
8回以降は月間11ホールド浅尾-5年連続30セーブ岩瀬と繋いで勝利。
川井の開幕11連勝も含め記録リレーで、巨人に勝ち越しました。
◇セントラル・リーグ公式戦 巨人-中日 15回戦 (30日・東京ドーム | 中日6勝9敗) | ||||||||||
42817人 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
中 日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 5 |
巨 人 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 |
[勝] 川井(14試合11勝) [S] 岩瀬(40試合1勝2敗30S) [D本] 小池6号2ラン | ||||||||||
[Dバッテリー] 川井、浅尾、岩瀬 - 谷繁 |
◇対巨人15回戦・スタメン
1 (遊)井端 (4打数2安打)
2 (二)荒木 (4打数1安打1打点)
3 (三)森野 (3打数1安打1打点)
4 (一)ブランコ (4打数1安打1打点)
5 (左)和田 (4打数1安打)
6 (中)藤井 (4打数1安打)
7 (右)小池 (3打数1安打2打点)
8 (捕)谷繁 (4打数無安打)
9 (投)川井 (4打数1安打)
【イニング経過】
<1回・中日> P・東野
井端中直球遊直、荒木直球打ち上げ三飛、
森野内外れ四球、ブランコ内高め詰まり二直
<1回ウラ・巨人> P・川井(中10日=球宴から中5日)
坂本中カーブ空三振、松本外スライダー投ゴロ、
小笠原外スライダー一ゴロ
<2回・中日> P・東野
和田高め直球センターオーバーフェンス直撃ヒット、
藤井粘り10球目・和田二盗・阿部悪送球和田三進、
小池外スライダー外れ四球、
1死一、三塁から、谷繁外スライダースイング取られ三振、
2死一、三塁から、川井内スライダー一ゴロ
<2回ウラ・巨人> P・川井
ラミレス初球内直球中前打、亀井投犠打、
谷外チェンジアップ遊ゴロ、
阿部初球カーブ引っ張り右前打、
2死一、三塁から、木村拓也内直球詰まり遊ゴロ
<4回・中日> P・東野
ブランコ外スライダ振らされ三振、
和田初球良い当たり右直、
藤井内外れ四球、小池右ひじ死球、
2死一、二塁から、谷繁外スライダー空三振
<4回ウラ・巨人> P・川井
小笠原二ゴロ、ラミレス中カーブ左前落ちるヒット、
亀井4球目ラミレス二盗、亀井スライダー外れ四球、
谷初球中前抜けそうなゴロ・井端止めるもトス逸れて内野安打、
1死満塁から、阿部外直球合わせて中前2点適時打(D 0-2 G)
1死一、二塁から、木村拓也外チェンジアップ二ゴロ4-6-3併殺
<5回・中日> P・東野
川井見三振、井端初球外カーブ左前クリーンヒット、
1死一塁から、荒木中直球右中間突破適時二塁打(D 1-2 G)
森野初球右飛・荒木タッチアップ三進、ブランコ警戒四球、
2死一、三塁から、和田初球外高め直球打ち損じ一邪飛・悔しがる…
<6回・中日> P・東野
藤井中前抜けていくヒット、
無死一塁から、小池内低め直球・
すくい上げ左中間持って行く逆転2ラン(D 3-2 G)
P・越智
谷繁二ゴロ、川井外直球空三振、
井端四球、荒木警戒しすぎストレート四球、
2死一、二塁から、森野外フォーク叩き中前抜ける適時打(D 4-2 G)
2死一、三塁から、ブランコ外高め直球・弾丸右前適時打(D 5-2 G)
<6回ウラ・巨人> P・川井
小笠原カーブ打たせて二ゴロ、ラミレス左前打、
亀井一ゴロ二封、
谷内低め一杯直球見三振・川井ガッツポーズ
<7回・中日> P・木村正太
藤井右飛、小池中飛、
谷繁四球、川井外カーブ合わせて中前落とすヒット、
井端粘って四球、
2死満塁から、荒木初球スライダー叩きつけ遊ゴロ
<7回ウラ・巨人> P・川井
阿部外カーブ拾って右翼席運ぶ本塁打(D 5-3 G)
木村拓也カーブ空三振、代打鈴木叩きつけ一ゴロ、
坂本中直球捉えられるも藤井ランニングキャッチ好捕
<8回ウラ・巨人> P・浅尾
松本初球左飛、小笠原中フォーク空三振、
ラミレス外直球右直
(浅尾セ・リーグ新の月間11ホールド達成)
<9回・中日> P・野間口
小池中飛、谷繁中フェンス際大きなフライ、
代打福田中スライダー三塁線突破二塁打・代走中川、
2死二塁から、井端外直球右前落ちるヒット・
二走中川本塁突入も谷好返球・手前で楽々憤死
<9回ウラ・巨人> P・岩瀬(40試合目)
亀井外スライダー当てただけ遊ゴロ、
谷初球内直球中飛、阿部外スライダー右前打・代走寺内、
代打イ・スンヨプ内シュート空三振、試合終了。
(川井開幕11連勝&岩瀬5年連続30セーブ達成)
【ゲームレビュー】
逆転勝ち 巨人に2カード連続で勝ち越し、ゲーム差を1.5とした
2点を先制されたが、5回に荒木が適時二塁打。
6回には小池の逆転2ランと
森野、ブランコの連続適時打で一気に4点を奪った。
川井は持ち味の打たせて取る投球で、
連勝をチーム新記録の11に伸ばした。岩瀬は5年連続30セーブ。
(公式サイト、中日新聞、共同通信社、ニッカン式スコア)
1勝1敗で迎えた直接対決の第3ラウンド。
序盤巨人先発・東野の前に、チャンスこそあれど、
なかなか得点できない展開が続いていたうえ、
4回ウラ、サンデー以外のマウンドとなった
先発・川井が思わぬ足を絡められ、逆に2点を献上。
ちょっとイヤな流れだなあと感じていましたが、
均衡が破れたことによって、ゲームが動き出しましたね。
2点を奪われた川井が直後のピンチをゲッツーで切り抜けると、
すぐさま5回に、アライバの連打で1点差に。
さらに続く6回にはややバテてきた東野から、
小池が低めの真っすぐを、ものの見事にすくい上げての逆転2ラン。
繋げる意識で放ったという一発でしたが、
この一撃で流れが一気に来た感が!
東野をKOすると、代わった越智が2死から思わぬ乱調。
意識しすぎで自分の投球ができず、井端・荒木に連続四球。
「何をそんなに…」というほどの過敏さでしたが、
そういうチャンスをきっちりモノに出来るのが、好調ドラゴンズ打線。
2死一、二塁から、森野がフォークをしっかり叩き、
センターへのタイムリーで追加点を挙げると、
ブランコも続いて、痛烈に一、二塁間を抜いていく連打。
持ち味である「つなぎの野球」で一挙4点のビッグイニング。
前夜の2ケタ失点の悔しさが、この攻撃で一気に吹き飛んだかなと。
一方、「みなさんの援護」をもらった川井でしたが、
4回のピンチを乗り越えた以降は、ほとんど危なげなし。
ラミレス、阿部には打たれていたものの、
巨人の若い投手のように、相手を警戒し過ぎることなく、
自分のスタイルを変えずに、
低め低めに徹していたのがよかったなと。
打たせて取る投球で
粘り抜いての、7イニングを3失点。
巨人戦はこれで3勝目となり、
さらに開幕から無キズの11連勝。
サンデー以外でも、
持ち味をしっかり発揮できたのは、
自信を付けた
左腕の実力たるものだなあと感じました。
さらに2点差の8回以降は、もちろん勝利の方程式。
しかしこの日は共に記録がかかっていたんですね。
それでも意識することなく、自分の仕事に徹してたのは、さすが。
松本を一球料理、小笠原をフォークで斬り、
さらに3安打のラミレスを低めの直球で抑え込んだ浅尾が、
セ・リーグ新となる月間11ホールド。
さらに最終回、阿部にヒットこそ許したものの、
一打同点のピンチを迎えながらも、
イ・スンヨプをクールに三振に仕留めた守護神・岩瀬は、
自らの記録を更新する5年連続30セーブをマーク。
連勝、連勝で来ていた7月、
競り合いが多かったことで、その出番もかなり多かったですが、
そんななかきっちりと投げ抜いての記録達成は
実に見事ですし、まさに頭が下がる思い。
巨人に勝ち越せた喜びとともに、うれしい瞬間となりました。
大事な直接対決3連戦を、2勝1敗と勝ち越し。
初戦取ったことで一気にという気持ちもなかったことはないですが、
逆に3タテを喰らいませんでしたし、
とりあえずはヨシというところじゃないでしょうか。
それ以上に相手に「中日やりにくいな」という印象を
植え付けることができたのが、今回の収穫だったと思います。
まあ良い投手が出てくると打てないですが、
『砂遊び』レベルの相手なら、苦はないなと。
約1カ月後、ナゴヤドームの再戦では、
ぜひともこちらが迎え撃つという状態になっていてほしいところです。
そして第一関門を抜けたものの、すぐさま第二関門。
今度は3ゲーム差で追われる3位・東京ヤクルトと
神宮での直接対決3連戦が待っています。
巨人以上に今季苦手にしているツバメ相手に、
何とか勝ち越し、直にその差を広げてほしいと願いたいですね。
おそらく相手はドラゴンズキラーの館山をぶつけてくることは濃厚。
しかしそれ以外の投手は打って、できれば2勝1敗を希望。
対するドラゴンズの先発は、順番こそわかりませんが、
中田、小笠原、吉見の3枚が登板することになります。
小笠原がやや心配ではありますが、勝てる3枚になってほしいなと。
昨夜は暑かった神宮ですが、気になる天気はこんな感じ。
もしかしたら雨の影響も受けると思いますが、
苦手意識を持ちすぎずに、一戦一戦向かっていってもらいたい。。
そして17勝6敗と、大きく勝ち越したこの7月。
最後の試合もしっかり取って、締めてほしいと期待したいです!
☆ウィナーズ・ボイス(30日)
◎川井雄太
<7イニング3失点で球団新の開幕11連勝>
「(おめでとうございます)ありがとうございます。
(それにしてもこれで開幕から無傷の11連勝ですね)
ああ、まあ、そうですね(笑み)。はい。ありがとうございます。
(今日のピッチングを振り返って)
そうですね。あのう、まあ初回っていうか、
最初に点取られてしまったんで、
あのう、何とか少しでも、こう少ない点で抑えていこうと
思ってましたし、あと、こう何とか粘って、
あのう、こっちに流れが来るようにね、頑張って投げました。
(流れを引き込んで、味方打線本当に頼もしいですね)
そうですね、あのう、自分のときほんとに打ってくれますので、
本当に助かってます。はい。
(今季好調の要因というのは)
そうですねえ。あのう、まあ、たまたまだと思ってますけども、
みなさんが打ってくれるんで、その流れで、
こう自分があのう、ちゃんと投げれるって言う気がします。はい。
(ご謙遜していますけど、11連勝はセ・リーグタイ記録)
あ、そうですか。はい。
(チームとしては1.5ゲーム差。縮まってきましたね)
そうですね。あのう、まだまだあのう、
後半戦始まったばっかりなので、あのうまあ、
1つずつあのう、試合をね、やっていきたいと思います。
(これからのさらなる課題というのは何か見つかったか)
いえあのう、低め低めに投げていくことだと思います。
(チームの雰囲気、これからに向けてひと言)
えー、まあ、一戦一戦頑張っていきたいと思います!」
<勝利のハイタッチを先頭で迎えると、
こちらも5年連続30セーブという大記録達成の
岩瀬から気前よくウイニングボールを手渡された。
ドラゴンズでは前人未到の域に達した。
すでに球団新を更新し続けている開幕連勝『11』は、
セ・リーグでも82年の広島・北別府学に並ぶ2位タイとなった。
なのに無邪気に笑い、あえて無意識を貫いている>
「それは関係ないです。
(11連勝は)後から振り返ればすごい記録なのかもしれないけど、
チームが勝てばそれでいいですから。
自分では記録のために投げているワケではないので。
今はチームが勝つために、優勝するために投げている。
優勝できれば、そのときに(連勝したんだと)振り返って、
記録をつくったんだなあ、と思えればいいです」
<前半戦は日曜日に10連勝を飾ったが、
後半戦の初登板は木曜日。曜日にこだわるはずもなかった。
前日にチームの連勝記録は9で止まったが、
低めを丁寧に突く持ち味を出し、再び首位追撃への流れを引き寄せて>
「いつでもいけるようにと言われていたので」
<1勝1敗で迎えた第3ラウンド。
チームとしても、ここは絶対にほしい白星だった。
それでも勝負の鉄則だけを見つめて>
「それを逆に強く思いすぎると自分の投球ができなくなる。
プレッシャーを味方にするのも自分の持ち味。
何とかいいリズムで投げられるように、
点を取ってもらった後を気を付けるように投げました。
ピンチの後にチャンスあり、
逆にチャンスの後にピンチあり、ってよく言いますから」
<最大のピンチは4回1死満塁。
阿部に先制の2点適時打を浴びたが、調子が良くないと自己分析し、
慌てず木村拓也を併殺打に打ち取った。
丁寧に低めを突き、110キロ台の縦に大きく割れる
カーブなども交えて的を絞らせなかった。
ラミレスには3安打されたが、その前に走者を出さなかったのも勝因。
巨人の強力打線を相手にしても気負わず、
要所で落ち着いた投球が光り、胸を張って>
「点は取られてもいいので、最少失点で切り抜けたいと思った。
点を取られても、次を抑えようとリラックスして投げたのがよかったかも。
要所要所で粘り強く投げられた」
<初めて選ばれたオールスターでは2回6失点と打ち込まれたが
前向きにとらえ、見事な立ち直りを見せる。
イニングごとに気持ちを切り替え、大量点は許さなかった>
「オールスターはお祭りだし、あれはあれで仕方ない。
とにかく自分にとっての後半戦の最初の登板で
いいピッチング投球をしなければと思った。
昨年までは考え過ぎるのが悪い癖でした」
<グラウンドを離れても、常に向上心を忘れない。
昨年7月、相撲の名古屋場所中、知人の紹介で伊勢ヶ浜部屋を訪問。
力士のプロ意識を肌で感じ取った。
今年はオールスターに選ばれたことで行けなかった。
それでも貪欲。常に何かを吸収しようとする姿は変わらない>
「もしまた機会があれば、
今度はトレーナーの方とかにも話を聞いてみたい。
何か参考になることがあるかもしれないですからね」
<勝ち星も再び館山(東京ヤクルト)に並び、
リーグトップタイの11勝。勝利10割はもちろんトップ。
この日7イニング以上を投げたことで、
規定投球回数にも到達。防御率2.83で6位にランクイン。
だがおごりはまったくなく、連勝街道をどこまでも歩み続ける>
「まだ後半戦は始まったばかりなので、1つずつ投げていきたい」
(中スポ、スポーツ報知、共同通信社、時事通信、
MSN産経、スポニチ名古屋、ニッカン、デイリー)
○浅尾拓也
<8回に登板し、松本、小笠原、ラミレスを9球で黙らせて、
セ・リーグ新の月間11ホールド>
「うれしいですけど、チームの状態がよくないとできませんから。
みんなの調子がいいのに便乗できたかなと思っています」
<7月は登板13試合で1勝1敗11ホールド、防御率1.76。
負け試合でもホールドはつくが、
勝ちパターンでこそ出番が増えるのがその役回り。
今季の開幕投手だったことは忘れている人も多いのではないか。
自分の中に先発志向があり、それを首脳陣も受け入れてくれたが、
いまは『リリーフタイプ』を分析する自分がいる>
「先発をやりたい気持ちはあったんですが、
リリーフの方がやりやすいかなと思っています。
先発だと先(のイニング)を見てやってしまうところがあったので…。
それに先発で負けると1週間が長く感じますけど、
リリーフだと次の日にはやり返すことができますから」
<今季26ホールドは『タイ』になった。
巨人・山口を早くもとらえ、タイトルの射程圏に入ったが>
「いやいや、結果を考えると打たれちゃうので…。
先を見ず、結果はあとからついてくると思ってやります。目の前の試合です」
(中スポ、サンスポ)
○岩瀬仁紀
<9回に3番手で今季40試合目の登板。
2死無走者から阿部に右前打を許したが、
節目のセーブは因縁のイ・スンヨプからの三振で決めた。
一発出れば一挙同点という緊迫の場面で、
最後に選んだのは普段はほとんど投げない
『シュート変形』という落ちるタマ。
北京五輪で痛恨の本塁打を浴びた相手のバットが空を切ると、
ぐっとこぶしを握った。気持ちよさそうに汗をぬぐって>
「最後のタマ? 自信があるから投げた。
それだけの練習はしているよ」
<自身のプロ野球記録を更新する5年連続30セーブ。
連続に限らず、5度目の30セーブも初の快挙となったが、
いつもどおりの淡々とした表情>
「そういう記録は後からついてくるものなので。
数字についての感想は特別ない。
それだけチームが勝ってきた中で、ずっと上(1軍)にいられたということ。
今年はけがなくやってこられていますからね。
大きなケガもなくこられたしチームが勝っているおかげ。
記録とかを考えるのは、シーズンが終わってからですよ」
<能力はもちろんのこと、徹底した自己管理がなければ
継続的に結果を残すことはできない。
これまで努力を重ねてきたことへのプライドものぞかせる。
連続試合セーブも『14』に伸ばし、球団記録を更新中>
「やっている方はいっぱいいっぱい。
何とか上で元気でやってこれているということかなあ。継続できればいい」
(中スポ、おおさか報知、共同通信社、時事通信、スポニチ名古屋)
○小池正晃
<1点を追う6回無死一塁、逆転6号2ランを放つ。
強い意志を持って、バットを振り抜き、
しんで捕らえると、気持ちが乗り移ったかのように、
打球は左中間席の中段にまで吹き飛んだ。
この回一挙4点の猛攻を呼んで>
「打ったのはストレートですね。追い上げる形だったし、
後ろに後ろに(つなごう)と思って打席に臨んだのがよかった。
いい当たりでしたけど、(スタンドに)入ってくれと思って。
入ってくれてよかった。自分的に集中して打撃に臨むことができました」
<直前の打席で死球を受けていたが、
勝ちたい一心で踏み込んでいった。
躊躇せずに立ち向かった。まさに気持ちの勝利>
「それ(死球)で腰が引けたら勝負にならない。
負けないように、思い切り振り抜きました」
<球宴休みの間は内野守備に積極的に参加し、
下半身をもう一度鍛え直すと、チームの練習がないときでも、
素振りやランニングは欠かさず行い、体調の維持に努めた。
逆転優勝に一歩でも近づくため、ここに照準を合わせて、
狙いどおり、勝ち越しに大きく貢献。
英智や中村一生らと右翼の定位置を争う立場。
スタメンを言い渡されるのは、いつも練習が終わってから。
この日も食事で栄養補給している時だった。
気持ちを高めるタイミングが難しそうだが、違う。
ビジターの試合では、チームで最初にフリー打撃を行うのがルーティン。
周到な準備が大一番で生きた>
「いつ言われてもいいように、いつもスタメンのつもりで。
気持ちは切らさず用意します」
<逆転できずに負けていれば、3.5ゲーム差に広がり、
苦しくなっていた首位攻防3連戦。
これでレギュラーの座も一歩、近づいたはず>
「この巨人3連戦は最低でも2勝1敗と思っていたので、
勝ち越せてよかったです。あしたからも、しっかり頑張ります」
(中スポ、サンスポ、ニッカン)
○藤井淳志
<攻守で巨人ベンチを揺さぶって白星につなげる。
28日の初戦は4打数無安打2三振。その淡泊な内容に
前日はスタメンを外され、最後まで出番はなかった。
こうした『懲罰欠場』は今季3度目。
効果はてきめんで、この日は東野に対して粘りに粘って
3打席で全107球の1/5となる、計21球も投げさせた。
6回の3打席目は球威の落ちた東野から中前打。
これが続く小池の逆転2ランへつながった>
「(スタメンを)外されたことを次につなげないといけないから。
きょうは簡単に終わらないようにと思っていた」
(スポニチ)
○井端弘和
<5回に反撃ムードを盛り上げる左前打を放つなど、
2安打2四球で計4度も出塁。
荒木と2人で、あっという間に取ってしまった5回の1点。
自分たちの戦う形をわきまえた攻めをしただけで、
相手を追い詰めてみせて
「向こうは1、2番が出なくても本塁打を打てる打者がいる。
こっちは本塁打が出ているけれど、
上位が出て3、4、5番につなげていけばいい」
<1死から初球、甘く入ってきたカーブを左前に運んだ>
「あの球を狙っていたわけでもないし、待っていたわけでもない。
高かった。うまく体が止まり、反応することができた」
<続く荒木が1-1から直球を右方向へ運んだが
こう確信し、一気にホームに駆け戻ってきた。振り返って>
「打った瞬間に、右中間を破ると思った。
5回の1点だけじゃだめ。追いつかないと。
(6回の)小池の逆転2ランは大きい。だけど、
そのあとの4球2つでさらに2点入ったことが大きかった」
<きっちり勝利に貢献した試合後、
視線の先にとらえていたのは次の東京ヤクルト3連戦。
チームが苦手にしている館山攻略に意気込んで>
「(初戦で先発が予想される)館山を崩せば波に乗れる」
(中スポ、中日新聞)
○荒木雅博
<2点を追う5回1死一塁、甘い直球を右中間に鮮やかに弾き返し、
東野攻略の糸口となる貴重な適時二塁打を放つ>
「2点取られた直後だったから、あそこは打ちたかった。
3、4、5番につなげるようにと持って打ったのがいい結果になりました」
<母校の甲子園出場に笑顔を浮かべる。
この日、熊本工高が3年ぶりの代表に決定。
決勝戦の試合中は、東京ドームで練習中だったが、
報道陣から結果を聞かされるとニッコリ。うれしそうに話して>
「よしよし。よかった。差し入れ? これから考えます」
(中スポ、中日新聞、ニッカン)
○森野将彦
<6回2死一、二塁から、中前適時打を放つ。
井端が際どいコースをきっちり見逃して歩くと、
その一塁ベースからの重圧に今度は荒木がストレートの四球。
空振りした初球と同じ、2球目のフォークを
無理なく弾き返すと、強いゴロが二塁左を抜け中前へ>
「もらったようなチャンス。生かしたかった。
とにかく、くらいついていった」
<4回までは相手先発・東野の力投に封じ込められたが>
「東野は飛ばしていたし、いつか打てるという雰囲気だった。
(打つのは)自分じゃないと思ってましたけど。
3試合とも違う(展開の)ゲームだったね。
カード勝ち越しの意味? さあ、どうなんでしょう」
(中スポ、毎日jp)
○トニ・ブランコ
<6回2死一、三塁、越智の外角直球を
弾丸ライナーで右前に弾き返す適時打。
一発は出なくてもきっちり4番の仕事で、この3連戦すべてに打点をマーク>
「追加点のチャンスだったので、集中していった」
(中スポ)
○福田永将
<9回2死で登場すると、フルカウントから
野間口のスライダーを左翼線へ。
プロ3本目の安打はプロ初の二塁打となった。
得点には繋がらなかったが、
右の代打として着実に戦力になりつつある>
「スライダーがくるかなと思っていました。
芯に当てることができました。ヒットになってよかったです」
(中スポ)
○立浪和義
<この日も出番なしで後半戦の『開幕』は待たしてもお預け。
試合後は苦笑いを浮かべたが、代打稼業のつらいところ>
「閉店だよ」
<きょう31日からの東京ヤクルト3連戦に気持ちを切り替え>
「またあしたから厳しい戦いが続くから頑張るよ」
(中スポ)
◇小笠原孝
<10年目のベテラン左腕の投球に大きな変化が起こっている。
昨季は左打者に138打数42安打、打率.304と打ち込まれたが、
今季はここまで75打数13安打で打率.173。完全に制圧している。
左打者のアウトコースへ曲がるスライダーで
空振り、もしくは打ち取るケースが目立つが>
「前々から『もっと曲がりを大きくした方がいい』とは言われていました。
少し考えて投げているという面はあります」
<おそらく、握り方などを微妙にアレンジしているのだろう。
結果的にこの『スライダー』が絶大な威力を発揮しているのは確か。
きっぱりとこう語る。次の東京ヤクルト戦での登板が濃厚。
主力の左打者・青木とガイエルは計8打数2安打に抑えている。
『左封じ』のスライダーを武器に、後半戦もローテーションを支える>
「昨季は左対左なのに、相手の左打者から
『やりやすい』という感じを持たれていたように思います。
今年はこっちも自信を持って投げられるようになりました」
(中スポ)
◇田中監督付スコアラー
<まるで別人のような小笠原の『左キラー』ぶりを分析して>
「理由を挙げるとすれば『スライダー』だろう。
昨季は変化の小さいカットボール系のタマを数多く放っていた。
今はより曲がりの大きいタマを投げている。
これが左打者には有効になっている」
(中スポ)
○落合監督
<記録ずくめの快勝で、9連勝後の連敗を逃れ、
後半戦最初の首位・巨人との3連戦を2勝1敗で勝ち越し。
再び巨人に1.5ゲーム差に詰め寄ったが、
独特の言い回しでナインをたたえ、納得した顔で引き揚げる>
「何もない。監督はいい。
苦労してるやつがいっぱいいるんだから。
監督は野球をやってないんだから、(試合のことは)選手に聞きな」
(中スポ、サンスポ、スポーツ報知、時事通信、毎日jp、MSN産経)
記録備忘録。(30日)
◇川井が開幕から11連勝。
55年・石川克彦、89年西本聖が記録した10連勝を抜いて
チーム最多連勝になった。
開幕11連勝以上は12人目(14度目)。
最多は81年の間柴茂有(日本ハム)、
05年の斉藤和巳(福岡ソフトバンク)が記録した15連勝だが、
セでは66年堀内恒夫(巨人)の13連勝に次いで、
82年北別府学(広島)の11連勝に並びセ2位タイとなった。
(おおさか報知)
◇岩瀬が今季30セーブ目。
05年から46→40→43→36→30で5年連続30セーブ以上。
5年連続は自身の記録を更新。
シーズン30セーブ以上5度は、高津臣吾(ヤクルト)、
小林雅英(千葉ロッテ)の4度を抜いて最多回数になった。
(おおさか報知)
◇浅尾がセ・リーグ新となる月間最多ホールド11を記録。
2点リードの8回に2番手で登板し、1回無安打無失点で達成した。
(毎日jp)
若竜トピックス(30日)
◆ウエスタン・リーグ公式戦
広島-中日 17回戦
(30日・広島東洋カープ由宇練習場)
D 010 200 100 = 4
C 100 000 000 = 1
[勝] 佐藤充(6試合2勝1敗)
[S] 平井(6試合1勝2S)
[D本] なし
[Dバッテリー] 佐藤充、長峰、平井 - 小田、田中
(公式サイト・戦評)
○佐藤充
<5月中旬に受けた左ひざ手術からの完全復調を目指すが、
ウエスタン・広島戦(由宇)で復帰後初先発。
7イニングを4安打6奪三振2四死球、1失点の好投で、2勝目。
立ち上がりの1回に2安打、1四球と自らの暴投で1点を失うものの、
2、3回の1安打ずつを最後に、あとは独壇場。
試合中に投球フォームを修正すると、
4回に三者連続三振を奪うなど、以後は7回までを完全に抑え込んだ。
結果を出して復調を猛アピール>
「立ち上がりは(フォームの)タイミングが合わなくて
どうなることかと思ったけど、回を追うごとに合ってきて、
中盤以降は思い通りの投球ができた」
(中スポ)