荒木天敵討ち吉見気迫の粘投、竜競り勝ち逆王手!
痛恨の被弾により、クライマックスシリーズ第1ステージ
その初戦を落としてしまったドラゴンズ。
まさに土俵際に追い込まれた状態で迎えたナゴヤドームでの第2戦。
吉見-館山の「最多勝投手対決」となったゲームは、
両投手の粘り合いで、2-2の同点のまま終盤へ突入。
しかし7回、2死三塁から荒木が中前に勝ち越しの適時打を放ち、
均衡を破ると、援護をもらった吉見が最後の一踏ん張り。
そして9回は浅尾-岩瀬の必勝リレーで締めて、辛くも逃げ切り。
対戦成績を1勝1敗としたドラゴンズ。第2ステージに逆王手をかけました。
◇クライマックス セ 第1ステージ 中日-東京ヤクルト 第2戦 (18日・ナゴヤドーム | 中日1勝1敗) | ||||||||||
38171人 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
ヤクルト | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
中 日 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | × | 3 |
[勝] 吉見(1試合1勝) [S] 岩瀬(1試合1S) [D本] なし | ||||||||||
[Dバッテリー] 吉見、浅尾、岩瀬 - 谷繁 |
◇対東京ヤクルト第2戦・スタメン
1 (遊)井端 (4打数2安打)
2 (二)荒木 (3打数1安打1打点)
3 (三)森野 (3打数無安打)
4 (一)ブランコ (4打数無安打)
5 (左)和田 (4打数2安打1打点)
6 (右)井上 (3打数無安打)
7 (中)藤井 (4打数無安打)
8 (捕)谷繁 (3打数2安打1打点)
9 (投)吉見 (2打数無安打)
【イニング経過】
<1回・東京ヤクルト> P・吉見(16勝7敗・中6日)
福地外スライダー打ち上げ左飛、
田中浩康外フォーク当てただけ投ゴロ、
宮本外スライダー遊深いゴロ内野安打、青木外直球二正面ゴロ
<1回ウラ・中日> P・館山(16勝6敗)
井端外直球右翼線落ちる二塁打、
荒木バントファウル-外フォークスイング取られ三振、
森野ストレート四球、
ブランコ中高め直球遊ゴロも鬼崎ファンブル併殺取れずエラー、
1死満塁から、和田中フォーク高いバウンド遊ゴロ・
6-4-3併殺崩れの間(D 1-0 S)
2死一、三塁から、井上外低めチェンジアップ二ゴロ
<2回・東京ヤクルト> P・吉見
デントナ内シュート二ゴロ、ガイエル外高めシュート空三振、
鬼崎中高めスライダー三遊間抜くヒット、
2死一塁から、川本中高めフォーク左翼最前列跳ね返る2ラン(D 1-2 S)
<2回ウラ・中日> P・館山
藤井内スライダー詰まり左飛、
1死から、谷繁中入るスライダージャストミート・
打球伸びて左翼スタンド飛び込む本塁打(D 2-2 S)
<3回・東京ヤクルト> P・吉見
福地外フォーク遊正面ゴロ、
田中浩康遊深いゴロ追いつくもヘッスラ内野安打、
宮本中高めシュート中抜けそうなゴロ・
井端スライディング好捕そのままベース踏んで6-6-3併殺
<4回・東京ヤクルト> P・吉見
青木中低め直球遊ゴロ、
デントナ外直球軽打右前打、ガイエル低め外れ四球、
1死一、二塁から、鬼崎外スライダー二ゴロ4-6-3併殺
<4回ウラ・中日> P・館山
和田中スライダー左中間突破フェンス直撃二塁打、
井上外チェンジアップ浅い遊飛、
藤井外スライダー一ゴロもデントナファンブルエラー、
1死一、三塁から、谷繁中フォーク空三振、
2死一、三塁から、吉見外スライダー空三振
<5回・東京ヤクルト> P・吉見
川本外シュート詰まり遊撃後方フライ・井端背走グラブの先で好捕
<5回ウラ・中日> P・館山
井端中直球遊深いゴロ内野安打、荒木投犠打、
1死二塁から、森野外チェンジアップ左飛、
2死二塁から、ブランコ外低めフォーク攻め三球空三振
<6回・東京ヤクルト> P・吉見
田中浩康中フォーク投返し中前打、宮本投犠打
1死二塁から、青木危ないファウルあれど外フォーク遊ゴロ、
2死三塁から、デントナ内シュート三ゴロ
<7回・東京ヤクルト> P・吉見 右・平田
ガイエル中スライダー引っ張り右翼線ヒット、鬼崎捕犠打、
1死二塁から、川本内シュートバットへし折り三飛、
2死二塁から、館山そのまま打席へ外直球投ゴロ
<7回ウラ・中日> P・館山
谷繁内直球詰まりながらも中前落とすヒット、吉見捕犠打、
1死二塁から、井端中低め直球遊ゴロ進塁打、
2死三塁から、荒木外直球中前抜ける適時打・館山降板(D 3-2 S)
P・イ・ヘチョン
森野3球目荒木二盗、森野外低め直球空三振
<8回・東京ヤクルト> P・吉見
福地内直球三直、田中浩康中シュート三ゴロ、
宮本中フォーク三塁線ゴロ森野止めるも悪送球エラー、
2死一塁から、青木0-3から外低め直球投ゴロ・
吉見飛びつき送球してガッツポーズ
<9回・東京ヤクルト> P・浅尾
デントナ中低めフォーク空三振
P・岩瀬(9/19以来・中28日)
ガイエル外低め直球・主審取ってくれず四球、
代打畠山外スライダー合わせただけ二ゴロ4-6-3併殺、試合終了。
【ゲームレビュー】
接戦を制し1勝1敗に持ち込んだ
7回、谷繁の安打と送りバントなどで2死三塁とし、
荒木が中前へ勝ち越し打。これが決勝点になった。
吉見は粘りの投球。5回を除き、
毎回のように走者を背負ったが、踏ん張った。
(公式サイト、中日新聞、共同通信社、ニッカン式スコア)
予想に反し、序盤からともに失点した「最多勝投手対決」。
2回に前夜のスクイズ失敗を取り返す谷繁の意地の一発で
同点に追いついた以降は、まさに両投手の粘り合い。
なかなか点が奪えない重苦しいムードのなか、
終盤7回ウラ、ようやくドラゴンズにチャンスが。
表の攻撃、2死二塁の得点機にも関わらず、
そのまま打席に送られた館山。
おそらく代打が来るだろうと思っていただけに、
打席に立ったときは思わず
「まだ来るのかよ」とぼやいてしまいましたが、
この続投が、逆にゲームの流れを変えたのかもしれませんね。
そして迎えたイニング先頭、
谷繁が詰まりながらも中前に落とすヒットで出ると、
吉見がきっちり一塁線に転がし、ランナー二塁。
さらに井端の遊ゴロがうまく進塁打となり、2死三塁。
ここで迎えるは、得点圏打率.343の2番・荒木。
何とか選手会長に意地を見せてほしいと願いつつも、
その一方で心配なデータがあったのも確か。
今季ここまで館山に対し、通算で22打数ノーヒット。
キラーに翻弄され続けたカモ中のカモなだけに、
ここもやられてしまうかなと思いましたが、
さすがは荒木、長年の「経験」がここに来て活きたようですね。
ずっとやられ続けてきただけに、
ある意味開き直って、「無心」で打席に向かった背番号2。
しかしその手には普段と違う褐色のバットが。
お立ち台で明かしてくれましたが、
このステージ、ラッキーボーイでもある
藤井のバットを借りての打席だったようですね。
初球、外へのカットボールを見逃し、1ボール。
続く2球目、館山が投じたのは外角へのストレート。
ただ疲れもあったか、若干シュート回転して甘く入るものに。
それに反応して弾き返すと、会心の打球は
センター前へ抜けていくタイムリー。
それまで打てる気配すらなかった天敵・館山から
ようやく22打席目にして放ったヒットは、
チームの窮地を、さらに粘りに粘った吉見を
最後の最後で助けることになった値千金の一打に。
そして、これによってようやく均衡を破ったドラゴンズ。
援護点をもらった吉見は、いっぱいいっぱいながらも
これでスイッチが入ったかの如く、
最後の力を振り絞って、8回をゼロに抑えると、
9回は、約1カ月ぶりとなる「勝利の方程式」。
まずは浅尾がデントナをフォークで空振り三振に打ち取ると、
1死からは、ついに守護神・岩瀬がマウンドへ。
半ばぶっつけの本番、それもあってか球威こそはまだまだながら、
低めに丁寧に投げ込むのは、やはり長年の「経験」。
代わり端のガイエルこそ四球を与えたものの、
続く代打・畠山に対しては「顔」で圧倒。
外角低めのストレートで二ゴロ併殺に仕留めて、ゲームセット。
苦しみながらも何とか接戦を制したドラゴンズ。
対戦成績を1勝1敗のタイに戻して、
最終第3戦に望みをつなげることとなりました。
ほんとに終始、重苦しいゲーム。
再三のピンチを何とか踏ん張る吉見の粘投こそあれど、
打線が館山に対して、なかなか得点が奪えないありさま。
特に5回のクリーンアップの凡退などを見る限り、
これはいったいどうなることかと思いましたが、
7回に飛び出した荒木のタイムリーで、
ようやく光が見いだせたかなと。
相手の継投ミスというのも
あったかもしれませんが、
大事な場面で発揮した集中力、
実に見事と感じましたね。
とにかく後がなく、まさに崖っぷちの状態。
カモにされ続けたキラーを打たないと、
チームは終わってしまう。
そんななか足かけ22打席目、
外への直球に食らいつき飛び出したヒット。
まさに執念の一打であるとともに、
それがゲームを決める一打となったことは、
チームにとっても大きいですし、勢いが付くことになるのでは。
また投げては吉見が、本来の持ち味である「粘り」を発揮。
一時は逆転を許したものの、結局失点はその2点のみ。
普段以上に低め低めを意識したうえに、
一球一球、ワンプレーワンプレーに気迫がこもっていた。
それが好投、そして最多勝投手対決を制することに繋がったと思いますね。
苦しみながらも、土俵際から何とかまた中央へと戻して、
逆王手をかけて迎える、勝負の3戦目。
しかし相手はまさかの「インフルエンザ禍」により、一転苦しい状況。
少々かわいそうにも思えますが、ここは心を鬼にして、
手を緩めることなく叩き、必ず勝って、東京への切符を掴んでほしい。
先発は、中田-由規が濃厚のようですが、
あと1試合必ず取って、勢いに乗って先のステージへ。
進むチームが、絶対にドラゴンズであることを切に願っています。
☆ウィナーズ・ボイス(18日)
◎荒木雅博
<7回2死三塁、勝ち越しとなる安打を中前に放つ>
「(やっと勝ってくれました。逆王手です!)
そうですね。あのう、これだけたくさんのお客さんに
入ってもらってますので、変な野球はできないなと思ってやっていました。
(昨日、今日と苦しんでの勝ち越し打)
あのう、館山君にちょっと相性が悪かったんですけども、
あのう、切り替えて、えー、しっかり打っていこうと思ったら、
いい結果が出ました。
(レギュラーシーズンでなかなか館山からヒットが打てなかった)
うーん、いいところで、でも打てましたね。最後に。
(あの場面、どんな気持ちで打席に)
まああのう、いろいろ考えて、もう20回も21回も打席に立って、
ダメだった訳ですから、えー、何も考えずにいきました。
(バットの色が違っているように見えたが)
あのう、藤井が調子よかったので、藤井のを借りました!
(勝ち越したときは)
ほんとにうれしかったです。今日は本当にうれしかったです!
(投げる方では吉見が粘っていた)
そうですね。今年あのう、最初っから、粘って粘って、
僕らが点取れなくても、一生懸命投げてますので、
何とか打ちたいという気持ちも強かったです。
(明日1試合あります!)
えー、今日もたくさんご声援ありがとうございました。
えー、明日もまだあります。今日以上にまた集中して、
しっかりとした野球をしていきたいと思います。
今日以上のご声援をよろしくお願いいたします」
<タイムリー談話>
「ずっと凡打しているから、
こんなチャンスに1本打てば変わるかな。とにかく何とかしたかった」
<同点で迎えた7回2死三塁。
館山が0-1から投じた甘い変化球をたたくと、
打球はライナーで中前に弾んだ。
天敵から放った決勝打に、しみじみつぶやいて>
「野球って本当に怖いな」
<積み重ねた凡打は無駄でない。いや、無駄にしなかった。
その一打には22打席分の苦悩が凝縮されていた>
「ずっと同じボールにやられ続けていたからね。
外角に目を付けていたら、内側を突いたはずのシュートが逆球できた。
いいところへ来てくれました」
<この日も6回まで2打席凡退と犠打。
内角を意識させられ、引っ張りにかかって外角の変化球でやられてきた。
分かっていても繰り返す凡打のパターン。
気分転換に藤井のバットを借りて、頭の中をしっかり整理。
意識させられ続けた内角を捨て、外角一本に張った。
そして気持ちはセンターへ。
苦しんだ22打席から導き出した天敵攻略法だった>
「それまでの打席では、どこかで引きずっている部分があった。
なぜ打てたか? 逆球だから打てたんでしょうね」
<チームを救う一打を放っても、
塁上で笑顔を解き放つことは無かった。
前夜の敗戦について、チーム内に漂う、
ただごとならない雰囲気は否定できなかった>
「前日は、初めて(CS第1ステージの)初戦で負けたので、
アレッっていうか、そんなムードはあったけど、
最後の良い場面で打つことができた。本当に嬉しいです。
ベンチで重苦しさは感じなかったが、一つ勝つことは本当に難しい」
<5回無死一塁では送りバントを決め、初めてチームに貢献。
そして着替えるために戻ったロッカールームで、
自身のバットケースの中に普段使う白色とは違う、
焦げ茶に塗装されたものをみつけた。
時折、気分転換のために使っていた借り物を担いで
打席に立ったのは、7回の好機。
1ボールから内角を狙ったシュート系のボールが外寄り甘めに。
謙遜したが、1年分の思いを込めたスイングが
きっちりとボールをとらえて>
「藤井のバットで、前から入れてあったんです。
サイズも重さもあまり変わりませんけど、
(藤井が)調子いいから、これを使おうと。
今までずっと凡打ばかりしてたから、ようやく打てて良かったです」
<3回以降、互いに勝ち越せない展開に
試合後は試合後笑顔で振り返って>
「ドキドキしました」
<殊勲バットの持ち主・藤井には
『ナイスバット』と冷やかされたが自らの腕を指して反論>
「こっちだよ。こっち」
<自らの一打が、第2ステージへの道を開いて>
「1勝1敗になって、また元通りのムードでできるでしょう。
(チームメートは)みんな(短期決戦を)分かってるから」
<また東京ヤクルトのインフルエンザ禍に
中日の選手会長も肩をすぼめて>
「怖いですね。ウチは誰もかかっていないけど。自己管理ですね」
(カメラブログ、中スポ、中日新聞、サンスポ1、2、スポーツ報知、
時事通信、朝日新聞、スポニチ、スポニチ名古屋、ニッカン、デイリー)
○石嶺打撃コーチ
<初回無死二塁ではバントを失敗した末に空振り三振。
3回先頭でも二ゴロと、いいところがなかった荒木にアドバイス>
「(レギュラーシーズンの対戦を)ひきずっているみたいだから、
完ぺきに(頭を)切り替えてやらないと。センターへ返していけ」
<崖っ縁で飛び出した一打に苦笑い>
「あれが荒木本来の打撃だから。それにしても23打席目か」
(中スポ、スポニチ、スポニチ名古屋)
◎吉見一起
<低めを丁寧について、8イニングを7安打1四球2失点。
気迫あふれる投球で館山との最多勝対決を制し、チームの窮地を救う>
「(最多勝対決となったが)
まああのう、館山さんはあまり意識しなかったです。はい。
(ともに点を取られてからは本当に粘りの投球になった)
はいあの、僕らしいランナー出してもしっかり粘って、
あのう、ゼロ点に抑えるピッチングができました。はい。
(荒木の勝ち越し打でものすごく拍手をしていたが)
はい、もういっぱいいっぱいだったんで、僕自身が。
あのう、早く点取ってくれと思いながら、見守っていました。はい。
(その前にバントを決めたのも大きかった)
はい、あのう、もう全然覚えていません。
(6回には相手4、5番、8回には青木を打ち取って、
バッテリーがものすごいガッツポーズが出ていた)
はい、あのう、谷繁さんにもストライクゾーンの低めを
投げてこいと言ってくれたので、ほんと僕の持ち味というか、
低めに投げることを意識して、投げました。
(あのときドームのお客さん、総立ちだった)
あ、本当ですか。
あのう、はい、うれしく思います。ありがとうございます。
(私たちは東京ドームでの投球を見たいです)
はい、あのう、明日もしっかり勝って、
えー、東京ドームでもあのう、
いいピッチングができたらいいと思います」
<先発談話>
「今日は崖っぷちだったので、
とにかく味方を信じて投げただけです」
<持ち味の粘り強さを発揮。
2回に川本に2ランを浴びたが、慌てることはなく、
その後は直球と変化球を低めに集め、ゴロを打たせた。
奪った24アウトのうち、外野への飛球は1つだけ。
得点圏に再三走者を背負いながらも、ホームは踏ませない。
味方が勝ち越した直後の8回、2死一塁で好調の青木を迎えたが、
カウント0-3から直球を打たせて投ゴロに打ち取ると、
先にマウンドを降りた館山が見詰める前で
谷繁と派手にガッツポーズをつくって闘志をむき出しにした>
「今日は負けたら終わりだったので久々に緊張したけど、
低めに投げてゴロを打たせるという基本に立ち返って投げました。
谷繁さんともしっかりゴロのアウトを取ろうと話していた。
がけっぷちに来て『低めで粘る』という基本に戻ることができた。
マウンドに上がったら、相手を見下ろすぐらいの気持ちでいこうと思っていた。
(2回の本塁打は)序盤だったのでダメージはなかった。
走者は出したけど、苦しさはなかった」
<決して調子は良くはなかった。
普段の球速が出ず、毎回のように安打を許した。
走者を許さなかったのは5回の1イニングだけだったが、
粘り強いピッチングで追加点を許さなかった。
4年目右腕はナインに感謝して>
「がけっぷちというか、負けたら終わり。
ここまで来たら調子が良い、悪いの問題じゃなく、集中して投げました。
ランナーを出しても、僕らしく粘って抑えられました。
野手のみなさんが、何度も守ってくれたおかげです。それに応えたかった」
<私生活でも恩返しの気持ちは忘れていない。
最近、トヨタ自動車の高級車
『クラウン・ハイブリッド』を両親に贈ると決めた。
その年、中日で最も活躍した選手に愛知トヨタから贈られる
「クラウン賞」の最優秀選手賞の賞品。
開幕直前に同じトヨタ自動車の『レクサス』を
購入したばかりということもあり、育ててくれた感謝を込めて譲った。
照れくささを隠すように笑ったが、両親、聡子夫人はこの日、
一塁側スタンドで必死に応援をしていてくれた。
お立ち台では帽子を取り、何度も会釈をした>
「嫁の車にしようとも思ったんですが、
車体が大きくて、運転が難しいみたいで」
<試合直前は井上に験担ぎのアイテムをもらっていた。
乳酸菌飲料の『ヤクルト』。
シーズン中にはしなかった験担ぎも功を奏した。
今季限りで引退する先輩の最終戦を先延ばしにできた。
集中し過ぎて、投球内容の記憶はあまりないという。
家を出る際の会話もよく覚えていなかったそうで、
試合中のスタンドに家族の姿を発見して驚いたと苦笑い。
大事な一戦で責任を果たし、安堵の表情を浮かべて>
「(験担ぎは)シーズン中にはしたことがない。
本当は家で飲んでこようと思っていたんですけど、
緊張して忘れていて…。でも、ロッカーの冷蔵庫に入っていて、
聞いたら(井上)一樹さんがくれました。
きょうは一つ一つの場面を覚えていない。
負けたら終わりのがけっぷちで、気持ちだけはしっかり持てた」
(カメラブログ、中スポ、サンスポ、おおさか報知、時事通信、
朝日新聞、毎日jp、スポニチ、スポニチ名古屋、ニッカン、デイリー)
○谷繁元信
<1点を追う2回1死、0-1からの2球目、
館山のスライダーを完ぺきにとらえると、
打球はライナーで左翼席に突き刺さる同点ソロ本塁打。
流れを変えたいという一心だった。
マウンド上で踏ん張っていた吉見への、価値ある援護射撃となって>
「自然に反応したね。たまたま本塁打になったけど、
逆転されたすぐ後だったので、追いつけて良かったです」
<胸の内には、前日の重いミスが渦巻いていた。
2点リードの6回、スクイズ失敗で追加点を挙げる
絶好のチャンスをつぶしてしまう。
その直後の7回、好投のチェンが突然崩れ、
デントナに痛恨の逆転2ランを浴びた。
相手に流れを渡してしまったことに、誰よりも責任を感じていた>
「できる時に、ちゃんと成功させないと…」
<この日は前日の6番ではなく8番だったが>
「きょうはきょうという気持ちだった」
<穏やかにつぶやいたその表情に浮かんだのは、
第2ステージ進出への並々ならぬ決意。
投手陣を引っ張るリード面だけでは飽き足らない
ベテランの強い気持ちが、主導権を取り戻す貴重なアーチを生んだ。
7回には先頭打者で勝ち越しの口火を切る中前打を放つなど、
3打数2安打で見事に勝利に貢献。
好リードで接戦を物にし、攻守とも第1戦の汚名を完全に返上して>
「何とかしないとね」
<逆転負けの第1戦でスクイズ失敗とチャンスで凡退。
試合後は敗戦の責任を背負い込んだが、翌日まで時間は少ない。
気持ちを切り替えるためにどう過ごしたのか。聞いてみると意外な答えが…>
「言えないよ。まあ、オレが引退したら教えるよ。
何年たっても、何をしたか絶対に覚えているから」
(カメラブログ、中スポ、<ドラ番記者>、サンスポ、時事通信、ニッカン)
○井端弘和
<攻守で吉見を援護。
初回、先頭で右翼線二塁打して先制のホームを踏むなど2安打。
守備では3回1死一塁で宮本の二塁ベース付近へのゴロに反応して、
自らベースに入って併殺に仕留めた。
また4回は青木のボテボテのゴロを軽快な動きで処理。
極めつきは5回、川本の左翼方面への飛球を背走しながら好捕。
いずれも安打になってもおかしくない打球をさばいて流れを渡さなかった>
「1回のヒット(二塁打)も含めて、きょうはいい動きをできたと思います。
(3回の併殺は)抜けていたら
一、三塁のピンチだったし、よく守れたと思います」
(中スポ、スポニチ)
●宮本慎也(東京ヤクルト)
<7回1死二塁、井端が遊撃正面に強いゴロを放ったが、
谷繁を三塁で刺すことも可能なタイミングながら、
鬼崎は一塁に送球。三塁ベースに入っていたが、
記録には残らないミス悔やんで>
「うまい遊撃手なら、谷繁の走塁を見てラッキーだと思ったはず。
きょうはショートの差が出ました」
(中スポ、中日新聞)
○和田一浩
<初回1死一、三塁の好機、高く弾んだ遊ゴロに全力で一塁に駆け抜け、
併殺崩れの間に三塁走者・井端が生還。激走で先制点をもぎとった。
その後も得点には結び付かなかったが、4回に左翼フェンス直撃二塁打、
8回には中前打と2試合連続マルチ安打。
第1ステージ計7打数4安打と好調を維持して>
「一打席一打席集中してできています。
明日(19日)も同じようにやります」
(中スポ)
○井上一樹
<今季限りでの引退を表明しているベテラン。
館山との相性を買われ、6番・右翼手で先発。
スタメン発表でひときわ大きな歓声を受け、素直に喜んで>
「そういう雰囲気でできるのはうれしい」
<3打席凡退でベンチに退いたが、
出番があろうとなかろうと、勝利のために尽くす決意>
「バットで期待に応えられなかったが、こういう試合に出られて幸せ。
明日は高校野球の決勝戦。どんな役割でも全力でやります」
(中スポ、時事通信)
○浅尾拓也
<9回から登板し、デントナを三振に仕留め岩瀬に渡して>
「勝ってよかったです」
<ただ1人の連投となったが、東京ドームへ3連投も望むところ>
「まだ明日も試合があるので、気を抜かずに頑張りたいと思います」
(中スポ、おおさか報知、時事通信)
○岩瀬仁紀
<9月19日を最後に登板がなかった守護神が
1点リードの9回1死から登板。いきなりガイエルを歩かせたが、
動じることなく代打畠山を二ゴロ併殺に仕留めてセーブ。
レギュラーシーズン終盤は疲労が出てベンチを外れ、
約1カ月間の調整を経て戦列に戻ったが、
それでも、約1カ月のブランクを感じさせない投球はさすが。
これでポストシーズン通算23回連続無失点。
大事な試合で復活し、ほっとした表情を見せて>
「9回に合わせて準備していた。
感覚は変わらなかったです。
ちょっとカウントを悪くし過ぎたかなと
いうところはあるけど、結果がすべてだからね。
どんなかたちであれ、勝てて良かった」
<長く、つらい1カ月間だった。孤独な治療と調整の日々。
自分自身の不安と、周囲の不安そうな目と向き合いながら過ごした。
気分が晴れることはない。ただ黙々と、備えた。
すべてはこの舞台のためだった。
試合後、岩瀬の頭には投球内容以上に思い浮かぶものがあった。
浮かんだのは、復調を支えてくれた仲間の顔。
感謝は言葉だけではない。結果で示して>
「それよりも、こうやって投げられるように
してくれた人たちに感謝したいです」
(中スポ、スポーツ報知、共同通信社、時事通信、毎日jp、スポニチ、ニッカン)
○森バッテリーチーフコーチ
<9回1死から登板し、無難にセーブを挙げた岩瀬にホッとして>
「これで(次は)1イニングを任せられると思う」
(サンスポ、スポニチ)
◇中田賢一
<第3戦の実現を祈るように、この日最終調整。
きょう19日の第3戦の先発が予想されるが、
復帰後の東京ヤクルト戦は2勝負けなしという好相性。
因縁の相手に雪辱するためにこの日は黙々とランニングを行って>
「調子は徐々に良くなっています。悪くはなっていない」
(中スポ)
◇鈴木義広
<右腕にとって、このポストシーズンの1軍ベンチにいることは
一種の奇跡かもしれない。右ひじ骨折が分かったのは昨年4月。
CSでのベンチ入りは2年ぶりとなる。
2月のキャンプのころは復帰タイミングはまるで霧の中。
自身もじっくり時間をかけた復帰プランも覚悟していた>
「復帰をあせってまたどこかをけがしたら、今度は野球生命がなくなってしまう。
そのためにけがをしないフォームを身につける必要もありますから。
一刻も早くとは思いますけど」
<それがレギュラーシーズン終盤の
9月には1軍に合流し、6試合に登板。
フェニックスリーグを経て、
しっかりポストシーズンのブルペンにたどり着いた。
1年間のブランクはあっても変わらぬものがある。
ピンチで向かうマウンドでのメンタルコントロール術だ>
「アツくなる部分はあるんですけど、やはりアツくなったらダメなんです。
だからこそ、文字通り周りを見るんです。
分かっているつもりの状況でもスコアボードを見たりして
冷静に考えるんです。この後のバッターは歩かせても大丈夫だとか、
だからどうしても抑えられなければならないのは誰なんだとか」
<10月3日のファーム日本選手権では、1点リードで迎えた
6回1死満塁をリリーフして抑え、MVPに輝いた。
常に落ち着いたピッチングを導く折れない心。
まだまだ続くポストシーズン。
いずれ訪れる登板機会で、それが右腕を支えていく>
「あのとき(MVPに輝いた10月3日のファーム日本選手権)も
周りが見えていたからプレッシャーを感じなかった」
(中スポ)
○落合監督
<接戦を制し、1勝1敗のタイに>
「(1勝1敗になりました)
はい。今日負けたら終わりだから、勝つか引き分けしかない。
そうしないと明日にはゲームないと。だけのことだと思います。
(最多勝対決…)
今は、いや、最多勝とかね、そういうあれは
ここは関係ないと思う。
勝つか負けるか、ただそういう戦いだろうと思うしね。
昨日と同じで申し訳ないんだけども、そういう試合です、はい。
(もつれる試合になりましたが)
慣れてるでしょう。こういう試合は。
(明日に向けては)
えっ。そういうのを聞くだけ、やぼってもん」
<薄氷を踏む勝利とは思えないほど、指揮官は淡々としていた。
テレビの共同会見場に現れると、こう言い放って>
「どうせ一言、二言で終わるんだから」
(中スポ、中日新聞、サンスポ、スポーツ報知、時事通信、
毎日jp、スポニチ名古屋、ニッカン、デイリー)
若竜トピックス(18日)
◆みやざきフェニックス・リーグ
中日-埼玉西武
(18日・串間市総合運動公園野球場)
L 000 020 000 =2
D 705 100 00× =13
[D本] 小田、新井(3ラン)
[Dバッテリー] 赤坂、小熊、高島、菊地 - 小田、田中
(公式サイト・戦評、フェニックスリーグ公式)
○赤坂和幸
<フェニックス・リーグの埼玉西武戦(串間)に先発。
6イニングを投げ、2安打2失点に抑える好投を見せる。
同リーグ3試合目の登板でも安定感の投球を披露。
4イニング無失点、2イニング無失点、そしてこの日が6イニング2失点。
3試合で計12イニングで2失点とここまで好投を続けている。
この日の登板を振り返って>
「きょうはバランスが良かったし、冷静に投げることができました」
<それでも5回無死一塁から銀仁朗に左翼へ2ランを運ばれ反省。
降板後には捕手・小田から
『逆球とフォークボールの制球』を指摘された。
3年目の来季を飛躍の年にするために鍛錬を続けていく>
「クイック(モーション)は速くなったけど、
その分球威が落ちて本塁打を許してしまった。
球威を上げることもそうですが、新たな課題が見つかったので。
これから取り組んでいきたいと思います」
(中スポ)
○小林投手コーチ
<3回までパーフェクトで、6イニングで4度三者凡退に抑え、
埼玉西武打線にわずか2安打しか許さなかった赤坂について評価>
「宮崎に来てから安定している。
変化球で簡単にストライクが取れるようになった」
(中スポ)
○小熊凌祐
<16日の巨人戦でデビューを果たしたが、
2試合目の登板でも1イニングをパーフェクトに抑えた。
7回から2番手で登板すると、先頭・星を二直、
坂田からは直球でプロ初の三振(見逃し)を奪い、
最後の銀仁朗は二ゴロに打ち取った。
前回はMAX136キロだったが、この日は141キロを計測>
「自分でも真っすぐが切れてるなと思いました」
(中スポ)
○小田幸平
<初回は右前へ2点適時打を放つと、
3回にはカーブをとらえ左翼へソロ本塁打。
さらに4回はまたも右前打を放ち、3安打3打点の固め打ち>
「与えられた所でしっかりやるだけです。
きょうは結果が付いてきて良かった」
(中スポ)
○高柳打撃コーチ
<3安打3打点と暴れ回った小田を評価>
「3安打目が特によかった。ああやって右方向に打てば確率が上がる」
(中スポ)
◆井藤真吾
<ナゴヤ球場隣の合宿所・昇竜館はずいぶん寂しい。
寮生の大半はフェニックス・リーグで宮崎へ。
谷と山内はドミニカ共和国。
平田と野本は1軍ベンチ入りでナゴヤドームにいる。
たった1人、残っているのがルーキー>
「昨日(17日)は1階の食堂まで下りてきてテレビ観戦していました。
でも食堂の人のほかには誰もいないんです」
<ルーキーイヤーは右肩痛からのリハビリに大半を費やした。
悔しさを抱えて今はナゴヤ球場でバットを振っている>
「もう痛いところはないし、宮崎に行きたかったです。
この冬がやっぱり大事ですよね。ウエートから何から全部」
(中スポ<ドラ番記者>)
直ぐに逆転されて嫌な雰囲気でしたが
シゲシゲの若い当たりで同点
流れを相手に渡さなかったのが
接戦になった要因ですかね。
それにしても荒木
パフォーマンスでも嬉しさを
かなりアピールしてましたね
相手投手が館山投手だっただけに
よく打ってくれたと思います
今日で東ド行きのチケットを
入手してほしいですね。
投稿: dai | 2009年10月19日 (月) 12時47分
Jスポーツのエンディング前に流れた
落合監督のショートインタビュー
久しぶりに肉声を聴けて嬉しかった反面、
稚拙な質問のオンパレードに、あ~、
これではまともに答えてくれないなと
正直、思ってしまいました(苦笑)。
それはさておき、吉見投手は調子が
良くない…というか、かなり悪いながらも
粘り抜きましたね。8回までいけたことに
大黒柱としてのプライドも感じられました。
昨年に続いて、CSでまた自信を重ねましたね。
投稿: ドライチ | 2009年10月19日 (月) 13時05分
手負いのツバメを一刀両断にして
早く高田監督以下全員病院に行って
もらいまいましょう!
野球やっている場合じゃないような
気がします
東京ドームは空気が循環して
しまうので絶対スワを行かせて
いけません。
ドラゴンズ正規軍の力を見せて
平和なプロ野球界を築いて
もらいましょう
中田賢一&ドラゴンズオール
スターズで必勝です
投稿: ギンタロウ。 | 2009年10月19日 (月) 17時26分
みなさんコメントありがとうございます!
今夜の先発は、中田投手-由規投手。
相手はいろいろ苦しいでしょうが、勝つのみ!
しっかり決めて、東京へ乗り込んでほしいです
>daiさん
早い回ですぐさま追いつけたのは大きかったですね
谷繁選手の意地を見せてもらった気がします。
喜びやガッツポーズが普段以上に出る短期決戦。
それぞれの熱い思いを感じましたよ
>ドライチさん
久々の「落合節」堪能させてもらいました。
ほんとやぼってもんですね
前日はNHK-hiで見ていて、お立ち台がカットだったので、
昨夜はこちらにしてほんと得したなと思いました。
吉見投手、何度もピンチを背負いましたが、
周りに助けられながら、勝ったのは大きかったですね。
後半はだいぶ低めに投げられましたし、次につなげてほしいです
>ギンタロウ。さん
ずいぶん遠出されているようですが、お元気でしたか
それはさておき、インフルエンザ。
4人の選手が抹消されたようですが、
捕手も入っているだけに、こちらも心配です。
まさかマスク着けて打席に入れませんし。
ツバメさんにはしっかりで休んでいただき、
こちらの正規軍がしっかり巨人をおもてなししたいですね
投稿: Toshikichi | 2009年10月19日 (月) 17時55分