無敵!竜セCS初代王者
球団史上初!2年連続日本Sへ
下位打線の大爆発に、荒木・井端の超美守、
投げてはエース・川上、守護神・岩瀬の好投。
クライマックスシリーズ第2ステージに連勝し、
ついに王手をかけたドラゴンズ。
迎えた巨人との東京ドームでの第3戦。
この日も投打好調の勢いそのままに
先制こそ許したものの、主砲・ウッズの一発で逆転!
先発・中田も踏ん張り、巨人打線を封じ込む力投。
リーグ覇者を3タテし、CS破竹の5連勝!
2年連続8度目となる日本シリーズ出場を決めました!
◇クライマックス セ 第2ステージ 巨人-中日 第3戦 (20日・東京ドーム | 中日3勝) |
46081人 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
中 日 |
0 |
0 |
0 |
3 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
4 |
巨 人 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
[勝] 中田(1試合1勝) [S] 岩瀬(3試合3S) [D本] ウッズ2号3ラン 谷繁1号 |
[Dバッテリー] 中田、岩瀬 - 谷繁 |
【ゲームレビュー】
投打ががっちりとかみ合い、逆転で3連勝
2年連続の日本シリーズ進出を決める
先発・中田は8回途中まで2失点の好投。
2回に二岡のソロ本塁打で先制を許し、
4回は小笠原の適時打で失点。
しかし5回以降は無失点で踏ん張った。
8回1死一、二塁で代わった岩瀬が
後続を断ってリードを守った。
打線は1点を追う4回一死一、二塁で、
ウッズが3ランを放って逆転。
7回に谷繁のソロで貴重な追加点を奪った。
(中スポ、共同通信社、ニッカン式スコア)
一気に3連勝でCS突破を狙うドラゴンズ。
先発には、阪神第2戦から中5日で、中田を送ります。
清水、谷、小笠原と打ち取り、初回は三者凡退。
しかし2回、先頭のイ・スンヨプを一塁ゴロに打ち取るも、
続く二岡に、カウント1-3からの5球目、
外からやや真ん中高目に入ったストレートを捉えられると、
打球は、センターバックスクリーン右へ落ちるホームラン。
前日に続き、巨人に先制を許します。
しかし続く阿部を変化球で遊ゴロ、
さらに脇谷をストレートで空振りの三球三振に打ち取り、
ソロの1点のみにしっかりと食い止めます。
一方、2連敗とこれ以上負けが許されない巨人。
先発には、リーグ防御率1位の高橋尚成を送ります。
その高橋尚成に一回り目はパーフェクトに
抑え込まれてしまったドラゴンズ打線。
しかし4回、1つの死球から一気に畳みかけます。
1死から井端への初球、内へのストレートが左ひじを直撃!
その場にうずくまり、その後ベンチ裏に下がり、治療。
痛みをこらえ、テーピングを施しグラウンドに戻ります。
その1球が高橋尚成のリズムを狂わせたか、
続く森野が真ん中やや外寄りのストレートを
センターに弾き返し、チーム初安打で
1死一、二塁とチャンスを広げると、
続くウッズが、フルカウントからの6球目、
真ん中低目に入ったストレートを叩くと、
右方向へ上がった打球は、そのままライトスタンドへ!
本人は「ミスショット」と言いながらも、ここは東京ドーム。
パワーで持って行った見事な3ラン!
3-1と、一気にゲームをひっくり返します。
なおもドラゴンズの猛攻は続き、
続く中村紀洋がセンター前ヒットを放つと、
イ・ビョンギュは空振り三振に倒れるも、
平田が外への外角高目のシンカーをうまく捉えての
レフト線へと落とすツーベース。
2死二、三塁で、このCS大当たりの谷繁を迎えます。
しかし谷繁は勝負を避けられ、敬遠。
満塁で中田を迎えるも、外のシンカーに空振り三振。
三者残塁ながらこの回3点を奪い、主導権を握り返します。
2点のリードをもらった中田。
しかし直後の4回ウラ、先頭の谷に
この日初めてとなる四球を与えてしまうと、
続く小笠原の5球目にワイルドピッチで
二塁に進めてしまいます。
そしてフルカウントからの7球目、
真ん中高目に甘く入ったストレートをフルスイングされると、
打球はライナーでライトフェンスを直撃。
タイムリーヒットとなって、1点差に詰め寄られます。
なおも続くイ・スンヨプの2球目、
内角高目のストレートが顔の近くを通ったことで、
イ・スンヨプが中田に向かって、何かひと言発すると、
それに呼応した一塁のウッズが、なんとイに向かって突進!
これによって両軍が入り乱れ、あわや乱闘寸前に。
しかしエキサイトするウッズを立浪らが抑え、
なんとか事態は沈静化。
カウント1-1からゲームが再開されます。
普通ならここで動揺してもおかしくない場面。
しかし中田は落ち着いていたうえ、
気をしっかりと引き締め直します。
続く3球目、内へのフォークで空振りさせると、
4球目も内角低目のストレートで空振り三振に!
さらに続く前の打席本塁打の二岡に対しても、
内角を続けざまに3球攻めての空振り三振。
阿部にはストレートの四球を与え、
続く脇谷の4球目、ワイルドピッチで
2死二、三塁とされますが、
最後は外角高目へのストレートで空振り三振に!
気迫こもる投球で、追加点を与えません。
力のあるストレートを軸にぐいぐいと押していく中田。
5回ウラもホリンズ、高橋尚成と連続三振に打ち取ると、
6回ウラは、先頭の谷にセンター前に運ばれますが、
小笠原、イ・スンヨプ、そして二岡を
ともに球威が勝っての外野フライに打ち取り、無失点。
一方で相手の高橋尚成も立ち直り、好投を見せ、
1点差のままゲームは終盤、7回を迎えます。
巨人を追い込むためには、次の1点がほしいドラゴンズ。
7回、先頭の平田がライトフライに倒れますが、
続く谷繁が、カウント1-0からの2球目、
内角低目のスライダーにうまく反応すると、
完ぺきな一打は、そのままレフトスタンド中段へ!
まさに値千金となるソロホームランは
やはりこのCS絶好調男のバットから!
ダメ押し弾に大いに沸くビジターのレフトスタンド!
4-2とリードが広がり、勝利がおぼろげに見えてきました。
谷繁の一発が飛び出したこともあり、
中田は7回ウラもマウンドに上がります。
阿部を二塁ライナー、脇谷も三球三振に取りますが、
疲れも見えてきたか、
続くホリンズにセンター前に落とされると、
高橋尚成の代打・木村拓也にもレフト前。
連打で、一、二塁と走者を背負ってしまいます。
迎えるは、途中からライトに入っている矢野。
森コーチがマウンドに向かったということは続投。
ベンチは中田にこの場面を託します。
大事な場面、力む中田のボールは外に外れ、
カウントを0-3としてしまいますが、
何とか1球、外角低目のストレートでストライクを取ると、
5球目は真ん中高目、147キロのストレート!
球威が勝り、打ち上げてのキャッチャーフライ!
まさに気合の投球、このピンチも切り抜けます。
さらに8回ウラもマウンドには、背番号20が。
先頭の谷にセンター前に運ばれますが、
ここからは最後の一踏ん張り、
続く小笠原をカウント2-2から
内角高目のストレートで空振り三振に。
続くイ・スンヨプの尻に死球を当ててしまい、
1死一、二塁とされますが、ここでも続投。
いっぱいいっぱいながらも、ベンチの期待に応える中田。
続く二岡に対し、谷繁の要求するところに
ボールが投げられないながらも、2ストライクを取ると、
最後はカウント2-2からの6球目、
外角低目一杯への145キロのストレート!
二岡が全く手が出ずの、見逃し三振。
渾身の投球で抑え込んだ中田からは、
大きなガッツポーズが飛び出します!
2死一、二塁となって迎えるは、左の阿部。
ここで落合監督が、マウンドへ。
7回2/3、124球を投げ、6安打11奪三振3四死球の2失点。
暴れ馬ながらも、見事な投球の中田はお役ご免。
2番手に、守護神・岩瀬を送ります。
3戦連続で8回途中からの登板となった岩瀬。
疲れもあるところでしたが、中田同様、気迫が充実。
阿部に2ストライクからスライダーを数球カットされますが、
カウント2-2からの7球目、
最後は、外角高目への力のこもったストレート。
阿部のバットが空を切り、空振り三振!
見事な火消しで、ゲームはいよいよ大詰めを迎えます。
4-2で迎えた9回ウラ、
マウンドには岩瀬がそのまま向かいます。
あと3人で、いよいよ悲願の日本シリーズが。
しかし先頭、上原の代打・大道にレフト前へ運ばれると、
代走には、古城が送られます。
続くホリンズの当たりは、浅いレフトフライ。
ところがここで巨人の痛恨の走塁ミスが!!
落ちると判断したのか、古城が大きく飛び出してしまいます。
上田から一塁の中村紀洋に送られ、ダブルプレー!
2死ランナーなしとなって、いよいよ歓喜の瞬間が目前に。
迎えるは、昨季の『10.10』同様、木村拓也。
カウント2-0と追い込み、1球ファウルの後の4球目、
最後は外角高目のストレートで
空振り三振に打ち取って、ゲームセット!!
ウッズ、谷繁と効果的な2本の本塁打と、
中田、岩瀬の気迫の投球で巨人を圧倒。
クライマックスシリーズ第2ステージで
巨人を3タテし、負けなしの5連勝でCSを突破したドラゴンズ。
球団史上初となる2年連続日本シリーズ出場を決めました。
クライマックスシリーズ優勝ということで、
胴上げこそなかったものの、いつものように
ハイタッチを交わし、お互いを讃えたドラゴンズナイン。
そして次なる舞台は、27日からの札幌ドーム。
相手は2年連続となるパの王者・北海道日本ハム。
53年ぶりの日本一へ向け、
昨季のリベンジへのチャンスをゲットしました!
4-2で迎えた9回ウラ、併殺を取って2アウト。
迎えた木村拓也を見逃しとファウルで追い込み、
カウント2-0からの4球目、
最後は外角高目のストレートで空振り三振!
マウンド上でガッツポーズの岩瀬が
谷繁と抱き合い、その周りには歓喜の輪が…。
ドラゴンズが敵地・東京ドームで
阪神に続き、リーグ覇者の巨人をも3タテし、
クライマックスシリーズ怒濤の5連勝!
一気に日本シリーズ出場を決めてしまいました!
球団史上初の
2年連続日本シリーズ出場
本当におめでとうございます!!
前2試合で勢いの差が
出ていたこともあり、それほど
心配はしていませんでしたが、
やはり相手もペナントを制しただけに
このままでは終わらないだろうという思いも
少しはあったりもしたのも確か。
ただそれ以上にこのゲームでも
ドラゴンズナインの気迫が勝りましたね。
この日も2回に二岡のソロ本塁打で
先制こそ許したものの、
3回までパーフェクトだった高橋尚成から
井端の死球をきっかけに、森野が繋いでセンター前へ。
そして迎えた4番・ウッズ。
フルカウントからの6球目、
外から若干中に入ってきた低目のストレートを
すくいあげてライトスタンドへ!
昨季の『10.10』のグランドスラム同様、
高橋尚成から放った有言実行の3ラン。
バットの芯から外れたミスショットにも関わらず、
あそこまで持って行けるパワーには感服!
これで一気に流れをたぐりよせました。
その後はなかなかチャンスが作れず、
1点差の厳しい展開となりましたが、
そこでダメを押してくれたのが、
第2ステージ絶好調、打率6割超の谷繁。
内角低目のスライダーにうまく反応。
レフトスタンドに持って行く見事なホームラン!
ミスター・クライマックスの一発によって、
勝利が明確に見えてきました。
結果的には、本塁打2発で決まったゲームでしたが、
大事なゲームでのナインの集中力を
十二分に感じたこのシリーズ。
日本シリーズでもこれを維持し、
どこからでもチャンスを作れる打線でいてほしいです。
一方、投手は中田-岩瀬のダイレクトリレー。
中5日で先発となった中田でしたが、
相変わらずの暴れ馬ぶりでしたね。
しかし球威があることが魅力的だったのと、
気持ちを込めた投球は見事なものでした。
リードをもらった4回、四球をきっかけに
小笠原に粘られた末、タイムリーを浴び1点差に。
さらに続くイ・スンヨプへの内角球で、
もみあいとなるシーンがありながらも屈せず、
そのイ・スンヨプと二岡を連続三振。
さらに阿部に四球と暴投で二、三塁とされたものの、
脇谷を空振り三振に取り、追加点を与えなかった強心臓。
さらに7回も、2死から連打で一、二塁とされたものの、
代打・矢野を真ん中高目のストレートでキャッチャーフライ。
8回も谷にヒット、イ・スンヨプに死球を与えましたが、
小笠原、そして二岡を三振に取るなど
この日の三振は、2ケタとなる11個。
このところの登板では、早いイニングでの交代が
多かった中田を、8回途中まで引っ張ったのは意外でしたが、
ベンチの信頼に応えた力投は、実に立派。
日本シリーズでもエース・憲伸とともに
先発ローテの軸になるであろう背番号20。
札幌ドームの勢いに負けず、
球威でハム打線を圧倒してもらいたいです。
そして8回2死から、阿部を迎えて登板した守護神・岩瀬。
この第2ステージは何と3試合連続のまたぎとなりましたが、
それでも阿部に粘られながらも空振り三振に打ち取ると、
9回ウラは、相手の走塁ミスにも助けられ3人でピシャリ。
鉄腕のタフさを改めて知ることとなった今回のシリーズ。
頼もしさはそれ以上のものとなったことでしょう。
日本シリーズでもこういう登板になってきそうですが、
とりあえずはしっかり休養、そして再びの大車輪の活躍を。
1勝4敗だった昨季の日本シリーズでは、
たった1度しか登板がありませんでしたが、
今季は多くの登板を期待、
そして地元・ナゴヤドームで胴上げ投手となってほしいです。
それにしても、クライマックスシリーズが
こんな展開になるとは思いもしませんでした。
5月の交流戦前に、7連勝というのがありましたが、
勝ったり負けたりというレギュラーシーズンだっただけに
ここに来ての一気の5連勝には、驚きましたね。
しかしリーグ連覇を成し遂げられなかった悔しさを
大一番で結集させ、さまざまな策で相手を圧倒。
そして掴んだ勝利は、とてもうれしく、
チームとしてのここぞの強さを感じさせてくれました。
3つ目のハードルを完ぺきに越えたドラゴンズ。
それによって、戦いはまだまだ続きます。
次週27日からは、パ・リーグの覇者である
北海道日本ハムとの日本シリーズ。
敵地・札幌に乗り込むこととなりました。
交流戦の時に最も強いな、
正直二度とやりたくないなと思ったのが
この北海道日本ハムでしたが、
昨季敗れた悔しさを晴らすチャンスを掴みました。
2位のチームのくせにとか、
周りはうるさいかもしれませんが、
このCSで勝ち抜いたチカラを再びフルにして、
日本シリーズにぶつけてほしい。
CSで勝ったことに満足せず、思う存分戦ってほしい。
そして今回やらなかった胴上げ、ビールかけを
ぜひとも勝って、やってもらいたい。
再び気持ちを引き締め、目指すは53年ぶりの日本一。
最後の、そして最大のハードルを
今季こそは飛び越えてもらいたいと思います!
☆ウィナーズ・ボイス(20日)
◎中田賢一
<7回2/3を6安打2失点で、11奪三振の力投>
「(大事な試合で本当にすばらしい投球)
いやあ、苦しいピッチングだったですけどね。
要所を締めれたと思います。はい。
今日はほんと気持ちだけで投げたんで、
もうチームが勝ったってことが一番ですね。はい。
前回同様、ちょっとブルペンでは
調子が良くなかったんですけど、
まあマウンド行ったら変わるだろう的な考えで
切り替えて行きましたね。はい。
(投球に気迫がこもった投球に)
そうですね。応援もたくさん頂いたんで
完投でどうにか結果を残したかったですね。はい。
(大歓声に)
いやあ、どうもありがとうございました。はい。
(ポストシーズン2勝に)そうですね。
まあチームが勝てたことが一番なんで、
まだこれからもありますんで、頑張りたいと思います。
(日本シリーズに向けて)
一戦一戦今まで通り一試合一試合
集中してやっていくだけなんで
これからも応援よろしくお願いします!
ありがとうございました!!」
<8回ウラ、1死一、二塁、
二岡を見逃しの三振に仕留めると、
右こぶしを突き上げ、跳ね上がると、
ド派手なガッツポーズを繰り出して、雄たけびを。
珍しく感情をあらわにした渾身の1球に>
「次が左の阿部さんだったので、
ここで打ち取れればと思っていた。気持ちだけでした。
苦しい投球だったけど、最後はしっかり右打者に
出し切ろうという気持ちだった。直球に自信を持って投げた。
今までで1番喜怒哀楽が出ました。今日は気持ちだけで投げた」
<CS突破王手で迎えた決戦にも>
「阪神戦でCSの雰囲気を経験しているので
今日はそれほど気にならなかった」
<4回、イ・スンヨプへの顔面付近への投球で
小競り合いが起きたときも落ち着いていた。
その後も強気に内角を攻め、巨人打線をねじ伏せる>
「冷静だった? そうですね。
あれは失投。申し訳ないです。
普通です。インコースを投げないと打たれると思った」
<昨年はシリーズ第4戦で4回1失点の黒星。
日本シリーズに向けて意気込みを>
「去年は4イニングしか投げていない。今年はもっと投げたい。
日本シリーズでもできるだけ長いイニングを投げて
勝ちがつくようにしたいです」
(公式HP、中田公式「クライマックスシリーズ優勝」、
中スポ、サンスポ、スポーツ報知、時事通信、
スポニチ名古屋、名古屋ニッカン、デイリー)
○森バッテリーチーフコーチ
<孝行息子の中田に目を細め>
「大きく見えるようになってきたのは
大エースに近づいてきている証拠」
(スポニチ名古屋)
○タイロン・ウッズ
<4回、ライトへ逆転の3ランホームラン>
「打ったのは、ストレート。
ミスショットだ。50%の力で? その通り。
打ち損じだったが、神様のおかげだ。
自分でもどうしてこんなパワーがあるのか
分からないくらい。よく入ってくれたと思ったよ」
<巨人からレギュラーシーズン12本、CSでは2本の本塁打>
「ラッキーだっただけ。
死球とヒットでつないでもらって、2人も走者がいたから、
相手投手はストライクゾーンに投げなきゃいけない場面だったからな。
巨人投手陣はリスペクトする。真っ向勝負してくれた」
<4回ウラ、中田の内角球にイ・スンヨプが
不服そうな顔をした瞬間に、一塁ベースで激高。
巨人の西岡一塁コーチの静止を振り切って、
イ・スンヨプに詰め寄り、両軍が入り乱れるひと幕が。
打席以外でもド迫力の存在感を見せ>
「オレは自分のチームのピッチャーを守ろうとしただけだ。
だって、そうだろ? 大事なプレーオフで
だれが故意に当てようとするもんか。
オレだって、あんな内角球はいくらでも受けているんだ」
<乱闘騒ぎの後は打席で相手ファンの
大ブーイングを浴びたが、笑って力にする>
「アイ ライク(ブーイングは大好きさ)」
<クライマックスシリーズチャンピオンの
記念盾を掲げて、左翼席のファンに手を振り続けた主砲。
勘違いを嘆いたが、昨季のリベンジに燃え>
「このシリーズを勝てばチャンピオンだと
思っていたのに、そうじゃないんだってな。
日本シリーズに行けるのはうれしい。
日本シリーズでは勝利にこだわりたい。とにかく優勝。勝つだけだ」
(公式HP、中スポ、サンスポ「ウッズ独白」、スポーツ報知、
時事通信、毎日jp、スポニチ名古屋、名古屋ニッカン、デイリー)
○谷繁元信
<7回、レフトへダメ押しのホームラン>
「打ったのは、スライダー。
体がうまく反応してくれました。
うまいこと打てましたね。
感触はあったけど、途中で切れるかなと思った。
一振りで(点を)返せた」
<本業の守りでも、この日は中田を
強気の内角攻めでグイグイ引っ張り、
巨人打線を完全に封じ込んだ>
「ずっと戦ってきた相手だし、
シーズンでやってきたことが
頭に入っていたからかもしれませんね」。
<普段マウンドでは顔色を変えない中田の
この日の気迫あふれた投球に驚く>
「あんなに気合が入っているのは初めて見た」
<CSは全5試合で安打を放つなど、
通算19打数10安打の.526。攻守にMVP級の活躍を見せ>
「去年日本シリーズで負けた悔しさと、
今年は2位に終わったが、そこ(日本シリーズ)に出られる
チャンスがあるのが連勝につながっているんじゃないか」
<ただこの勢い、CSだけでは終わらせない。
「シーズンはいつも2割そこそこですけど。
まあシーズンと短期決戦は違うんでね。
ちょっと集中の仕方が違うだけ。
シーズンで最下位(.236)だったのも
オレの力だし、今打ってるのもオレの力や」
<片時も休まる瞬間がなかったが、やっと肩の荷が下り>
「これでやっと少し休めるかな。
日本シリーズ? これからゆっくり考えますよ」
(公式HP、中スポ1、2、サンスポ、スポーツ報知、
時事通信1、2、朝日新聞、スポニチ名古屋、名古屋ニッカン)
○岩瀬仁紀
<3試合連続で8回途中から好救援を見せ、
第1ステージから数えて4試合連続セーブ>
「8回途中? (連投は)覚悟はしていました。
疲れは多少なりともあるとは思いますが、何とか気力でね。
こういう試合ですからね。もちろん準備はしていました。
展開を考えて早めに肩をつくっていました」
<最後の打者・木村拓也を空振り三振に仕留めた瞬間、
左こぶしを強く握ってジャンプ。珍しく全身で喜びを表し>
「何とかして勝ちたいという
気持ちがありました。ホッとしました。
今は、ゆっくりさせてください…」
<日本シリーズでも早めの起用が予想されるが>
「そのつもり。今年はリーグ戦で勝てなかった。
とにかく日本シリーズで勝たないと全く意味がないから。
気持ちの持ち方が違います。
泣いても笑っても、あと7試合ですからね」
(中スポ、サンスポ、スポーツ報知、時事通信、
毎日jp、スポニチ名古屋、名古屋ニッカン)
○井端弘和
<逆転劇を呼び込んだのは痛い死球から。
4回1死から、高橋尚成の直球が左ひじを直撃。
顔をゆがめてベンチに戻ったが、
患部にサポーターを巻いてフル出場を果たす>
「痛かったです。腫れ? あります」
<3連勝による日本シリーズ進出にも完全に喜ばず>
「あまりうれしくない。
日本シリーズに勝たないと、うれしさが出てこない。
今年は連勝して勢いがついている」
(東京中日、サンスポ、スポニチ名古屋、名古屋ニッカン)
○中村紀洋
<9回の一塁の守備でひやりとする場面が。
ホリンズの左飛で一走・古木が飛び出し併殺も、
上田の返球が逸れてのどに当たる>
「ボールがのどに当たって、素手で捕ったんや。
慌ててグラブやなくて、右手でボールをつかんだけど、しびれたわ」
<今年はオリックスを退団して、育成選手から再出発。
近鉄時代の01年以来となる日本シリーズ出場を手にし>
「勝つしかない。まだ戦いは残ってますわ。
日本シリーズが残っているので、気持ちを切り替えたい。
いろんなことあった1年。ゼロから日本一になりたい。
勝ちたい。もうひと踏ん張りします」
(東京中日、サンスポ、時事通信、名古屋ニッカン)
○平田良介
<クライマックスシリーズ全5試合先発出場。
8回途中で交代したが、4回には左翼線二塁打を放つ>
「成長できたと思います。
日本シリーズでもぜひ先発したい」
(東京中日)
○荒木雅博
<クライマックスシリーズを振り返り>
「勢いで、この5試合戦った。
日本シリーズではしっかり守ることを頭に入れてやりたい」
(サンスポ)
○森野将彦
<クライマックスシリーズを振り返り>
「クライマックスでは打てなかったので、
日本シリーズでは頑張りたい」
(サンスポ)
○イ・ビョンギュ
<クライマックスシリーズを振り返り>
「まだ全部終わってはいない。日本シリーズも集中して臨みたい」
(サンスポ)
◇立浪和義
<4回ウラ、ウッズとイ・スンヨプの小競り合いで
ベンチから飛び出し、体を張って事態を収拾させようとする>
「退場させるわけにはいかんでしょ。あれがボクの仕事です」
<CSでは無安打も2年連続の日本シリーズ出場を喜び>
「いい野球ができました。
みんなのおかげで日本シリーズへ連れて行ってもらえる。
こういう機会を勝ち取ってくれて、みんなに感謝している。
(チームも自分も)チャンスをもらった形だね。
そんなにこういう機会はないし、
DH(指名打者)で出ることもあると思うので、
ぜひ頑張りたい。準備期間にきちんと調整したい」
(中スポ、サンスポ、時事通信)
◇山井大介
<先発を予想されながら
CSでは3試合とも投げないまま終わる。
初戦の先発を予想していた巨人をだませたことに>
「投げられなかったけど良かったです。
演技するのが大変でしたよ。
一生懸命、演技していたでしょ。
ハッキリとは言えないけど
(第4戦か第5戦のどちらかで)先発する予定はありました」
<それでも、日本シリーズ出場に笑顔をみせ>
「日本シリーズでは投げる機会があると思うので頑張ります」
(中スポ、名古屋ニッカン)
◇小笠原孝
<初戦で先発し勝利投手。チームを勢いづけ笑顔>
「ぼくのおかげかどうかは分からないけど、
チームが勝つことができてよかったです。
日本シリーズで投げるときがあれば、
自分の仕事をしっかりやりたい」
(中スポ)
◇井上一樹
<スタンドからはファンの胴上げコールがあったが、
試合後はセレモニーのみで終了。その理由を説明>
「事前に相手はリーグ王者だから失礼のないように
胴上げはやめておこうと球団と話していました。
日本一になって監督を胴上げします」
<自身はCS1試合のみの出場に終わる。日本シリーズに向け>
「去年はいろいろあった。出番があれば借りを返したい」
(中スポ)
●原監督(巨人)
<中日に3タテを喫して、日本シリーズ出場を逃した
「粘り強く戦ったが、短期決戦において
ジャイアンツの力を出せなかった。
ジャイアンツらしい戦い方ができなかった。
(間隔があいた?)初めての試みだし、とやかくいうのはね。
ルールの中で戦っているわけだし、教訓にする。
この一年間、精いっぱい戦って、
粘ってペナントを制した事実は胸を張っていい。
ファンも一丸となってともに戦ってくれた。
選手たちは本当に頑張った。
08年はどういうメンバーになるか分からないが、
意義ある07年だった」
(スポーツ報知、時事通信)
◆白井ヘッドコーチ(北海道日本ハム)
<日本シリーズの相手が中日に決まったことについて>
「昨年の日本シリーズの再現となったが、
投打にバランスのとれた強豪中日は
前回の雪辱に燃え、試合に臨んで来ると思う。
われわれはそれ以上に強い気持ちを持って、シリーズに臨む。
挑戦者の気持ちを忘れず、普段通りの野球に集中したい」
(サンスポ、時事通信)
◆谷山プロスカウト(北海道日本ハム)
<第2S3試合を3人のスコアラーでチェック>
去年の日本シリーズや、交流戦で戦っているので、
大体のイメージはできています。
1、2番の2人が出て、打線がつながると不利になる。
荒木、井端のコンビがうまくつながっているので
注意しないといけない」
<3試合での早期決着にため息>
「山井が見られなかった。
印象もないし、ビデオを仕入れないと」
<この日も爆発したウッズには自信をのぞかせ>
「ウチは去年も打たれていない
(15打数4安打も打点0)から。
最悪ヒットでいいから、いかに内角に投げきれるか」
(東京中日、サンスポ)
◇落合信子夫人
<試合後、ナインと監督らを出迎え
バスに乗り込む選手たちを握手と抱擁でねぎらう>
「(監督に)『今日は遅くなる』といわれたので
『どうぞ遅くなってください』と答えました。
まだまだ先がありますから」
(サンスポ)
◇西川球団社長
<日本シリーズ出場を決めたが、
胴上げを行わず、祝勝会もしなかった理由を説明>
「あくまで日本シリーズの予選だから。
現場もこちらもそういう考え方」
<試合後のミーティングに参加し、あいさつ。
昨年、日本ハムに敗れたリベンジを期待>
「監督には『この勢いで突っ走ってくれたら
日本一になれる。最後に美酒を飲みましょう』と言った」
(スポーツ報知、スポニチ名古屋)
◇白井オーナー
<この日、東京ドームで試合を観戦。
来季が2年契約の2年目となる落合監督の続投を明言。
引き続き指揮を任せる既定路線について>
「もちろん変わりはない。
これまで言ってきたことと変わらないですよ」
<リーグ2位から日本シリーズ進出へ導いた
指揮官の采配を評価し、悲願の日本一へ期待を寄せる>
「落合監督はこの結果を予想していたんじゃないかな。
指揮官もそうだけど、選手もよく頑張った。
(5連勝は)おおむね予想通り。
監督は最初からこうなると言っていたよ。
選手もみんなやる気になっていた。
日本シリーズが一番のヤマ場になる。これからですよ」
(サンスポ、共同通信社、スポニチ名古屋、名古屋ニッカン)
◎落合監督
<破竹の5連勝でクライマックスシリーズを突破。
2年連続8度目の日本シリーズ出場を決める>
「(今の心境は)いやあ、苦しい試合でしたね。
やはり去年とはちょっと違うんでねえ。
ペナントレース負けましたから私らは、
残されたチャンスはもうここしかなかったんで、
まあそれを選手たちがよく理解して、
ゲームやってくれたと思います。
(モノの見事なポストシーズン5連勝に)
今回だけはですね、
あまり、まあタイガースもジャイアンツも
長引いたら今のうちの戦力だったらちょっときついかなと。
もう勝てる試合は何とか拾っていこうという
まあそういう意味で5試合で切り抜けたくれたということは
選手よくここまでやってくれたと思います。
シーズン中とちょっと動きが悪かった分だけね、
まあ選手の意地があったんでしょうね。
ここへうまく合わせてくれたと思います。
本当はセ・リーグのペナントレースで優勝して
こういう形(CS)を迎えたかったんですけども、
まあそれが叶わなかったって言うのかな、
その悔しさをやっぱり全員が持って
このシリーズを迎えてくれたんでね。
その結果だと思います。
(2年連続日本シリーズ出場は球団史上初)
ただ今までと意味合いが違うんでね。
我々は、あくまでもセ・リーグの優勝チームはジャイアンツですから。
まあたまたまこういうシステムで救われて、
日本シリーズに行く切符をもらったということなんでね。
まあセ・リーグを代表としてファイターズと戦いたいと思います。
(今年の日本シリーズに向けての意気込みを)
監督が余分なこと言わないで
選手に自由にのびのびとプレーしてもらいたいと思います。
(期待しています)はい、ありがとうございます」
<クライマックスシリーズを制して>
「ペナントで負けて、残されたチャンスはここしかなかった。
選手たちがそのことを理解してやってくれたんだと思います。
やっと第3のハードルを越えました」
<5連勝と強さを見せつけたCSだったが、
会心の勝利と背中合わせの危機感があった>
「ここ(巨人)とやるときは、
長くやるほど不利になる。阪神もそうなんだけど。
だから2つと3つ(の連勝)で行きたかった。これが本音だ。
でも、それは思惑であって、勝負事はそう簡単にはいかない」
<うまくはまった最大の要因は>
「ペナントで負けた悔しさだと思います。
(ストレートで勝ったが)紙一重だと思っています」
<史上初のクライマックスシリーズを前に貝になった。
本当に口数が少なくなり、情報をほとんど漏らさない。
報道陣にだけでなく、チームの中に対しても黙したという>
「何もね。ひと言も言わなかった。
かえって言ったらまずいと思って」
<日本シリーズの相手は北海道日本ハム。
日本シリーズでも4勝で一気に?>
「計算はしてない。
そう言うことを考えずに勝てる試合を拾っていくだけ。
(日本シリーズは)4つと考えず、
その日その日のゲームに勝つことだけを
考えてやる。そろそろ勝たないとね」
(公式HP、中スポ、中日新聞、サンスポ、スポーツ報知、
時事通信、毎日jp、名古屋ニッカン、デイリー)
今日の公示(20日)
◆セ・リーグ
【出場選手登録】
△中日 高橋聡文投手
【同抹消】
▼中日 石井裕也投手
(共同通信社)
宮崎から合流し、1軍に帯同していた高橋が昇格。
代わって、同じ左の中継ぎである石井が抹消されました。
ただ日本シリーズの出場資格選手は
従来の28人から40人枠となるので、
石井も再び登録される可能性もあります。
若竜からの話題。(20日)
◆フェニックス・リーグ
千葉ロッテ-中日
(20日・生目の杜第2野球場)
D 000 210 000 =3
M 002 000 010 =3
[D本] なし
[D投] 佐藤充、金剛
(公式HP、フェニックス・リーグ特設)
【ゲームレビュー】
立ち上がり不安定だった先発・佐藤充が
3回ウラに味方のエラーと
南竜介のタイムリーで2点を先取される。
4回、2死満塁から普久原が三塁内野安打。
さらに送球が逸れる間に、2-2の同点に追い付く。
5回、2死二塁から福田の右中間への三塁打で勝ち越す。
徐々に調子を上げ、頑張っていた佐藤充が
8回ウラ、自らのけん制悪送球で無死二塁とすると、
角中勝也にタイムリー二塁打を浴び、同点に追いつかれる。
なおもピンチだったが、後続を力でねじ伏せ勝ち越しを許さず。
9回、お互いに決め手なく、3-3の引き分け。
(公式HPより)
△佐藤充
<フェニックスリーグ3試合目の先発は、
8回を7安打6奪三振3失点(自責1)と好投>
「調子はあまりよくなかった。
初回は、最悪だったです。
ストライクは入らないし、バランスが合わないし、
どうなるかと思いました。
でもゲーム中に修正して、途中から納得のいく投球ができた。
4回頃から腕が振れるようになりました。
良くなっていると思います。
自分のミス(8回けん制悪送球の後、無死二塁から二塁打)で
同点に追いつかれてしまったのが反省点です」
(公式HP、中スポ)
△福田永将
<5番・DHで先発出場。
5回、勝ち越しとなる中越え三塁打を放つも、
その他の打席の3三振を悔やむ>
「風がなかったらホームランだったと思います。
手応えはありました。しかし、後の打席は三振です」
(公式HP)
△小林2軍投手コーチ
<佐藤充に課題を与え>
「まだ以前のような球ではないので、
秋季練習でしっかり投球フォームを固めて
来年につなげてほしい」
(中スポ)
フェニックスリーグ・対千葉ロッテ戦。
このリーグ3度目の先発の佐藤充が
立ち上がりこそ不安定だったものの、
投げながら修正できたことで、
徐々に持ち直し、4回以降は0を重ねる好投。
しかし疲れが見え始めた8回に、
自らのエラーも絡み、同点に追い付かれてしまいました。
それでも8回を7安打6奪三振で3失点はまずまず。
フェニックス・リーグの先発はこれで終わりとのことで
今後は秋季練習でフォーム固めなど
課題に取り組んでいくようです。